四川灯影牛肉丝
中国 四川のお手軽な牛肉のおやつ "四川灯影牛肉丝" [sì chuān dēng yǐng niú ròu sī]を食べてみました。(日本の漢字では「四川灯影牛肉絲」となります。)
これは、四川省の"灯影牛肉"が基になっています。
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灯影牛肉とは?

"灯影牛肉" [dēng yǐng niú ròu]は、四川省達州市地方の伝統的な名物です。
灯影牛肉は100年以上の歴史があり、言い伝えによると、その起源は1000年以上の唐代の「おつまみ」にまで遡るともいわれています。
※ 「おつまみ」は中国語で"下酒菜" [xià jiǔ cài]といいます。
一般的な製法は、牛の後ろ もも肉をスライスし、漬け込み・風干し・乾燥・蒸らし・揚げ・炒めといった多くの調理工程を経ます。
麻辣味のほろほろの食感で、噛むごとに味わいがあります。
※ 中国語では"酥酥" [sū sū]という表現が、この「ほろほろ」に近いものです。"脆脆" [cuì cuì]という表現はよく「さくさく」といった感じで使われますが、この"灯影牛肉"にも使われています。
灯影牛肉の名前の由来
灯影牛肉の肉は、紙のように薄くて幅広です。
このため、灯の光を透過し、影絵芝居のような効果が現れることが名前の由来です。
一口タイプの四川灯影牛肉丝を食べてみた
四川灯影牛肉丝とは
今回試食したのは、"四川灯影牛肉丝" [sì chuān dēng yǐng niú ròu sī]と呼ばれる一口タイプのおやつです。
名前に"丝"がついているとおり、牛肉は細く加工されています。
("丝"は「絹糸」から転じて「細いもの」を表します。)
長い歴史の中で、四川灯影牛肉の本家というものはなく、伝統の中で受け継がれる中、各地の特色を生かした風味を備えています。
下記のブランドが有名どころです。
- 百年灯影牛肉
[sì chuān bǎi nián dēng yǐng niú ròu] - 老达洲
[lǎo dá zhōu] - 张飞牛肉
[zhāng fēi niú ròu] - 老川东
[lǎo chuān dōng] - 良品铺子
[liáng pǐn pū zi]
四川灯影牛肉丝を試食
"四川张飞牛肉"というメーカーの"四川灯影牛肉丝"を試食する機会がありました。
このメーカーは2003年設立で、干牛肉のブランドとして知名度があります。

真空パック入りで、品質保持期限は1年です。
大きさは長辺で4cmほど

真空パックから出すと、ゴマやラー油なども表面を覆った状態で、塊となっています。
一口サイズですが切ってみると、細く短い牛肉も見えます。
この時点で、ほろほろ感が伝わってきます。
指でつまむだけで、形が崩れるほどなので、袋から直接食べる方が良いかもしれません。

口に入れると、噛む前からほろほろに崩れます。
本場 四川の味ということで辛さを警戒していましたが、意外にも甘みが強く、瞬間的には辛さを感じません。
でも、次の瞬間には、ラー油や花椒(ファージャオ)・八角などの辛さと香りがジワっと広がります。
辛さと甘さの中にも、牛肉の風味に加え、ゴマの香りと食感もしっかりと感じて美味しいです。
噛むごとに広がる牛肉の味で思い出した、日本の「おつまみ」がありました。
マグロが小さなキューブ型になった、金と銀のキャンディのように包装されたおつまみです。
名前を思い出せなかったので調べてみると、一般的には「ひと口マグロ」と呼ばれているようですが、本家は焼津石原水産株式会社から1975年から販売されている「ツナピコ」とのことです。
もちろん「ツナピコ」はマグロであって、辛さもありませんが、噛むごとに広がる深い味わいには、通じるものがありました。(というか、四川灯影牛肉丝の方が歴史がありますが…)
なるほど、「おやつ」としても「おつまみ」としても、人気なのは納得の美味しさです。
ネット通販では別の有名ブランド "老川东"が購入できるのを見つけました。






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