辣条(ラーティァオ/ラーティアオ)とは? 五香粉とは?
"辣条"(ラーティァオ/ラーティアオ)は、小麦粉等の穀物や豆類を主原料に作られている麺状の食べ物で、名前のとおり辛みが特徴の、中国湖南省の平江発祥のおやつです。
食感は噛み応えのある麩のようですが、食感や味付けはさまざまで、それぞれの特徴があります。(詳細は記事内を参照してください。)
タイトルは「食べてみた」ですが、筆者にとって辣条(ラーティァオ)は、いろいろ食べ比べている好物です。
少し中国語の勉強も交えながら、ご紹介していきます。
ちなみに「おやつ」のことは、中国語で"零食" [líng shí]といいます。
「辣条の作り方」や「辣条の材料」の検索で、こちらの記事にお越しいただいた方、辣条はとても手の込んだもので、筆者も作ったことはありません。
このため、参考情報のみを記載させてください。
工場での製造の様子は、本場の辣条の記事でご覧いただけます。
中国で「自家製の辣条を作る」という場合でも、元の"牛筋面"("面粉"(小麦粉)が原材料)は買ってくることが前提のようで、乾麺を買うような感覚です。
とはいっても、"牛筋面"は簡単に手に入るものではなさそうで、代わりに残りの白飯で作る方法もありましたので、ご紹介します。(日本の米とは異なりますが…)
はじめに"牛筋面"を使った方法です。
動画で紹介している調味料です。(おそらくこちらも入手困難なものが含まれているので、入手しやすい調味料もご紹介します。)
材料
- 牛筋面: 300g
- 長ねぎ: 30g
- 生姜: 30g
- にんにく: 30g
- 八角: 4個
- 桂皮: 5g
- 月桂樹の葉(ローレル): 4枚
- クミンパウダー: 2g
- 白ゴマ: 20g
- クミンシード: 6g
- 白砂糖: 12g
- 鶏がらスープ(顆粒): 2g
- 食塩: 9g
- チリパウダー(荒): 20g
- チリパウダー(細): 20g
- 陳皮(ちんぴ): 5g
- 花椒(ファージャオ): 5g
- 花椒粉: 2g
上記は動画で紹介している材料ですが、香辛料はこの記事でも紹介している"五香粉"とチリパウダーを使うとお手軽です。
手把手教你做辣条,不好吃了你找我!
動画リンクを開く
残りの白飯で作る方法
材料(牛筋面の代用)
- 白飯: 250g
- 面粉: 50g
- 片栗粉: 20g
- 鶏卵: 1個
"面粉"は、日本でいえば、麺を作る時の小麦粉は「準強力粉」ですが、「準強力粉」がない場合は、「薄力粉」1に対して「強力粉」3の割合で混ぜるのでも良いとされています。
【自制辣条】用剩米饭自制健康美味的辣条,妈妈再也不用担心我买辣条吃了
動画リンクを開く
ご期待に沿えるほどではないかもしれませんが、参考になれば嬉しいです。
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“博士牛筋”という製品名の辣条(ラーティァオ)
今回試食したのは河南省の"劲丰" [jìn fēng]([ジンフェン] 日本の漢字で「勁豊」)というメーカーの"博士牛筋" [bó shì niú jīn]という製品です。
中国人の友人からもらった中のひとつです。
辣条(ラーティァオ) “博士牛筋”のパッケージ
写真のとおりジャンクフードの王道のようなパッケージですが、実は意外にヘルシーな食品です。
時々、例えばビーフジャーキーのパッケージに喜んでいる牛のイラストがあったりして、何だか違和感を感じたりするのですが、この牛博士(?)が喜んでいるのはぴったりかもしれません。
辣条(ラーティァオ)とは?
冒頭でも触れましたが、"辣条"(ラーティァオ/ラーティアオ)は、小麦粉等の穀物や豆類を主原料に作られている麺状の食べ物で、名前のとおり辛みが特徴の、中国湖南省の平江発祥のおやつです。
"面筋"(ミァンジン)と呼ばれることも一般的で、平江人は"麻辣"(マーラー)と呼びます。
※ 一般的に"麻辣"(マーラー)は、唐辛子と花椒(ファージャオ)などによる「しびれる辛さ」の味付けを意味します。
食感は噛み応えのある麩のようですが、食感や味付けはさまざまで、それぞれの特徴があります。
- 辣条 [là tiáo] [ラーティァオ]
- 面筋 [miàn jīn] [ミァンジン]
- 麻辣 [má là] [マーラー]
- 花椒 [huā jiāo] [ファージャオ]
- 平江 [píng jiāng] [ピンジアン]
今回試食した辣条(ラーティァオ)は、小麦粉から作られています。
麺を作る時に、表面に切れ込みを入れることで食感(中国語でいう"口感" [kǒu gǎn])を作り出していて、製品名にもある「牛筋(ぎゅうすじ)」にも似た固い食感です。
一般的には、小麦粉と唐辛子を練り合わせた麺を蒸して味付けしたもので、少量の塩や砂糖に加えて"五香粉" [wǔ xiāng fěn]という香辛料が特徴的な味です。
※ "五香粉"についてはもう少し下で説明します。
これなら牛博士が喜ぶのも納得です!
味付けには製品ごとに特徴があって、中にはまったく辛くない味もあります。味付けには製品ごとに特徴があって、中にはまったく辛くない味もあります。(辛くないものは"辣条"というよりは、別名で呼ぶことにはなりますが…)
辣条(ラーティァオ)中国語の発音を表すピンインは
辣条 [là tiáo]
となります。
"辣"は辛さや辛いものを表していて、"条"は長いものを表しています。
"辣条"というのは中国では一般的な名称で、
大面筋 [dà miàn jīn]
素牛筋 [sù niú jīn]
などとも呼ばれます。
別名で"面"の字が使われていますが、ここでは「麺」を意味しています。
中国語で「麺」は"面条" [miàn tiáo]といいます。
その他、"条"は長いものを数える量詞で、魚の数も"条"を使います。
例: 一条鱼 = 1匹の魚
※ たとえ魚の形が丸っこくても平たくても"条"です。
中国語に馴染みがなかったとしても、漢字を見るとどんなものか想像できてしまうのは面白いと感じています。
※ 中にはとんだ勘違いをすることもあり得ますが…
五香粉(ウーシャンフェン)とは?
"五香粉" [wǔ xiāng fěn]とは、漢字のとおり5つの香辛料を混ぜ合わせたもので、中国では一般的なものです。(5つより多い場合もあります。)
日本でいえば七味唐辛子のような存在ですが、五香粉自体は香りが特徴で、辛さはそれほどありません。
五香粉は、一般的に以下の香辛料を混ぜ合わせて粉にしたものです。
- 花椒 [Huājiāo] = 花椒(ファージャオ)
- 肉桂 [ròuguì] = シナモン
- 八角 [bājiǎo] = 八角/スターアニス
- 丁香 [dīngxiāng] = チョウジ/クローブ
- 小茴香籽 [xiǎo huíxiāng zǐ] = フェンネルシード(種)またはクミンシード(種)
「花椒(ファージャオ)」は、四川料理でも有名な「麻辣(マーラー)」という味付けに欠かせないものです。
「チョウジ/クローブ」や「クミン」は、あまり馴染みがないかもしれませんが、カレーの香り付けには欠かせないものです。
五香粉の詳細は こちらの記事でご覧ください。
“博士牛筋”を食べてみた
"博士牛筋"のパッケージを見ると、辣条(ラーティァオ)の原材料("配料" [pèi liào])が記載されています。
「食品添加剤」の文字も見えますが、グルタミン酸ナトリウム、炭酸カルシウムや植物性着色料などの一般的なものです。
開封すると、中国の食品特有の五香粉と唐辛子にラー油の混ざった、いい香りがします。
長さは10cm弱で、太さは1cm弱、これも一般的な大きさだと思います。
表面は"牛筋"らしさが出るような模様になっています。
食感はやはり固めで、麺のようにすするものではなく、よく噛んで食べるものになります。
味付けは、それほど辛くなく、むしろ甘さが引き立っている感じです。
砂糖が多いというよりも、辛さの中に甘さがあって、よく噛んで食べるからという理由と、河南省は激辛料理を好む地域ではないので、辛さは控えめになっているからだと思います。
それでも、噛んでいるうちにじわっとした辛味も楽しめます。
大きさは小さいですが、ゆっくり食べるので、あっという間に食べきってしまうものではありません。
ちょっと食べたいおやつとして、ちょうどいい量ではないかと思います。
ジャンク・フードどころか、宝物をありがとう!
ごちそうさまでした!美味しかったです!
今回の"博士牛筋"は中国からの輸入でしたが、"辣条"やこれに近い小麦粉製品は、日本でも入手することができます。
各地の中国物産店やネットでも入手しやすいので、ご興味があればお試しください。
今回もお読みくださり、ありがとうございました。
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