中国語で泣く様子を表す擬音語・擬態語
日本語は、世界でも擬音語や擬態語(オノマトペ)の多い言語として知られていますが、中国語も日本語ほど多くはないもの、決して少なくはありません。
- 擬音語 = 拟声词 [nǐ shēng cí]
- 擬態語 = 拟态词 [nǐ tài cí]
今回は、中国語で泣く様子を表す擬音語・擬態語のいくつかをご紹介したいと思います。
その前に…中国語では「泣く」ことを"哭" [kū]と表現するのをよく目にしますが、"泣" [qì]という漢字もあります。この違いから解説します。
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中国語の”哭”と”泣”の違い
"哭"と"泣"は、どちらも同時に現れる感情です。
でも、この2つの大きな違いは
"哭"は「涙を流し声を出して泣く」
"泣"は「涙を流し声を出さずに泣く」
にあります。
もちろん、"泣"であっても小声で泣くことも含まれますので、感情の上で明確な線引きができるものではありませんが、"哭"は突然の感情から泣く場合で、"泣"は悲しみの感情から泣く場合、と大まかに区別することができます。
現代の中国語では、用法にこのような違いもあります。
"哭"は単独で使用できる
"泣"は単独で使用できない
中国語で泣く様子を表す擬音語・擬態語
呜呜 [wū wū]
泣き声の擬音語で最もよく使われる表現です。「ううう…」という日本語と同じ感覚ですね。
特にネット上やSNSでは、悲しみの度合いに応じて数を増やし、数に制限はなさそうです。
- 呜呜呜
- 呜呜呜呜
- 呜呜呜呜呜
"呜"を使った次のような表現もあります。
呜咽 [wū yè]
日本語では「嗚咽(おえつ)」で、「声をおさえて泣くこと」や「むせび泣き」を表します。
中国語も同様に"低声哭泣"という意味を持った動詞ですが、擬音語としても使われます。
哇哇哇 [wā wā wā]
驚きの表現に使われることの多い"哇"ですが、泣き声の擬音語としても使われます。
赤ちゃんが泣く様子に使われることが多い言葉で、"哇哇大哭"は「おぎゃあおぎゃあ」と泣く感じです。
赤ちゃんの泣き声だけでなく、驚きの場合は"哇"のようにひとつか、複数並べて ちょっと慌てた驚きを表すことがあります。
泣き声として使う場合は、複数並べて使うのが一般的です。
日本語と同じように「わあわあ」と泣く感じです。
啊啊 [ā ā]
音からも分かかりますが、大きく口を開けて大泣きする様子です。
「うああうああ」と泣く感じですね。
嗷嗷 [áo áo]
悲痛な心で大泣きする様子です。
こちらも「うああうああ」と泣く感じですね。
哼哼 [hēng hēng]
鼻水が出ながら、小声で泣く感じです。
日本語だと「くすんくすん」泣くといいまずが、中国語では ずいぶんと感じが違いますね。
嗡嗡 [wēng wēng]
音だけ聞くと日本語の「わんわん」泣くという感じがしますが、本来は昆虫が飛ぶ羽音を表す言葉です。
羽音以外にも騒々しさを表すこともある擬音語ですが、泣き声にも使われることがあります。
呱呱 [gū gū]
本来は、蛙の鳴き声を表す擬音語です。日本語でいえば「ケロケロ」や「ゲロゲロ」ですが、人の泣き声を表す時にも使われることがあります。
泣く様子を表す動詞
その他、泣く様子を表す動詞として、次のような表現があります。
抽泣 [chōu qì]
「すすり泣き」を表す動詞です。
哽咽 [gěng yè]
声を詰まらせて泣くという動詞です。
食べ物がのどに詰まって、飲み込めないことを指すこともあります。
大哭 [dà kū]
大泣きするという動詞です。
哭嚎 [kū háo]
悲しみにあふれて泣くことです。
哭诉 [kū sù]
悲しみや恨みのような声で訴えることを表します。
泣く様子を表す成語など
泣不成声 [qì bù chéng shēng]
小さな声で感情を出し切れずに泣くことを表わす成語です。
痛哭流涕 [tòng kū liú tì]
涙を流し、悲痛な様子で泣くことを表す成語です。
痛哭失声 [tòng kū shī shēng]
「声を枯らしながら泣く」様子を表す成語で、最後には声も出なくなってしまうほど泣き枯らす、という意味があります。
殷红泪眼 [yān hóng lèi yǎn]
苦痛で「目を赤く腫らして泣く」様子を表す慣用句です。
中国語の泣く様子にもいろいろな表現がありますね。使う時は少ないとは思いますが、ドラマを見たり小説を読んだりするときなど、知っておいて損はないですね。
今回もお読みくださり、ありがとうございました。
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