多民族国家の中国には80言語が存在!
中国で話されている言葉は中国語
これは決して間違いではないのですが、中国は56民族からなる多民族国家で、使われる言語は80種類以上、文字においても30種類といわれています。
となると、「中国語って何?」となってしまいそうですが、今回は一般的に「中国語」と呼ばれる言語を、さらっとわかりやすくご紹介します。
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中国語は国連公用語のひとつ
国連公用語とされている言語には6つあります。
英語・フランス語・スペイン語・ロシア語・アラビア語の5つに加えて、中国語があります。
話者人口でいうと英語は15億人強で、中国語は14億人ほどといわれています。
中国語の話者数が中国の総人口より多いのは、中国国外でも使われている言葉のためで、英語も同様ですね。
中国語は漢民族の言葉
中国は多民族国家ではありますが、漢民族が中国の総人口(約13.4億人)の90%以上を占めています。
「中国語は漢民族の言葉」とは書いたものの、漢民族の中にも多くの「方言」があります。
一般的に、次の"九大方言" [jiǔ dà fāng yán]に分けられます。
- 北方方言 [běi fāng fāng yán]
- 吴方言 [wú fāng yán]
- 湘方言 [xiāng fāng yán]
- 赣方言 [gàn fāng yán]
- 客家方言 [kè jiā fāng yán]
- 粤方言 [yuè fāng yán]
- 闽北方言 [mǐn běi fāng yán]
- 闽南方言 [mǐn nán fāng yán]
- 莆仙方言 [pú xiān fāng yán]
これらの「方言」は、日本の方言の感覚とは大きく違っていて、違う方言だと言葉が通じない…というほどの差があります。
ちなみに、北方方言が最も多く使われている方言ですが、北方方言も4つに分けられています。
- 北方官話 [běi fāng guān huà]
- 西北官話 [xī běi guān huà]
- 西南官話 [xī nán guān huà]
- 下江官話 [xià jiāng guān huà]
また「広東語」という言葉を聞いたこともあるかもしれませんが、一般的には"粤方言"を指します。
とはいっても、広東省も広大なので、"客家方言"や"闽南方言"が中心の地域もあるようです。
中国語といえば「普通話」
このような背景から、中国では"北方官話"を基にして、標準語となる言語が制定されました。
これは
普通话 [pǔ tōng huà]
と呼ばれ、中国語といえば「普通話」が一般的です。
この普及によって、中国全体で会話が通じるようになりました。
逆に言えば、「広東語」が自分の方言で日常的に使用している人であれば、「広東語」と「普通話」のバイリンガルといっても過言ではありませんね。
※ すべての人が自分出身地の方言を話すわけではありません。新しい世代ほど顕著です。
というものの、少数民族も含めてすべてが「普通話」を習得しているか、というとそういうわけではありません。
統計では、中国国内の「普通話」の普及率は80%強とされていてます。(ちなみに漢字の識字率は95%を超えています。)
※ 2025年には85%とする政策があります。(賛否はありますが…)
台湾の言葉は中国語?
台湾で使われている言葉も中国語です。
台湾は地域的には"闽南方言"ですが、一般的な標準語があります。
これは、中華民国が"北方官話"を基にして制定した「台湾華語」で、"國語" [guó yǔ]などと呼ばれます。
"國語"の表記で気づかれたかもしれませんが、漢字は"繁體字" [fán tǐ zì]"(日本の漢字で「繁体字(はんたいじ)」)という文字が用いられ、日本の旧字体と共通の文字も多くあります。
このため「台湾華語」は
臺灣華語 [tái wān huá yǔ]
と表されます。
漢字は違っても、大部分は中国大陸の「普通話」と共通のため、中国人のほとんどにおいて交流に大きな支障はありません。
ただ、現地の発音の差は結構大きいため、中国語学習者にとっては慣れが必要かもしれません。






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