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英語: 人などを表す”-er”や”-ist” – 「○○ラー」といった表現の正解と間違い

英語: 人などを表す"-er"や"-ist" - 「○○ラー」といった表現の正解と間違い
人を表す「○○ラー」は間違い!?

日本では「○○が好きな人」を指して「○○ラー」という表現をしばしば見かけます。

英語で"-er"をつけることで人を表現することが多いのが理由と思われますが、果たして、この表現は正しいのでしょうか?

実は多くの場合、これは間違いです。

言葉遊びのひとつとも言えますが、判で押したような表現は、誤った英語を拡散し、英語への理解を阻害してしまいます。

では、英語の"-er"の使い方にルールはあるのでしょうか?
今回は、人などを表す"-er"や"-ist"などの表現を解説します。

英語の”-er”や”-ist”の使い分け

英語で人などを表す場合、"-er"だけでなく"-ist"などの接尾語("suffix")をつけます。
他にもありますが、はじめにこの2つを比較してみます。

とはいっても、「こうしなければならない」という絶対的な規則(ルール)があるわけではありません。
しかしながら、これらには明確な傾向(パターン)があります。

簡単に結論から言うと、
動詞の場合は"-er"で、名詞の場合は"-ist"が基本です。


英語の”-er”は動詞を名詞に変える

英語では動詞を「○○する人」のように表現する時、"-er"が代表的な接尾語となります。

名詞に"-er"をつけることはないので、日本で広まっている「○○ラー」という表現の多くは間違いとなるのです。

接尾語 "-er"の例
  • teach (教える) → teacher (教師)
  • run (走る) → runner (走者)
  • drive (運転する) → driver (運転手)
  • sing (歌う) → singer (歌手)
  • compose (作曲する) → composer (作曲家)
  • speak (話す) → speaker (話す人・話者)
  • wait (給仕する) → waiter (ウエイター・給仕人・接客係)
  • paint* (描く・塗る) → painter (画家)
  • farm* (耕作する) → farmer (農家)
  • fight* (戦う) → fighter (戦士)
  • drum* (ドラムをたたく) → drummer (ドラム奏者)
  • trumpet* (トランペットを吹く) → trumpeter (トランペット奏者)

上の最後の5つの例は、名詞としても使われる単語ですが、動詞としての用法もあるため、接尾語"-er"が成り立ちます。


英語の”-ist”は基本的に名詞に使う

もうひとつの接尾語"-ist"は、基本的に名詞に使うことで「○○する人」のように表現します。

接尾語 "-ist"の例
  • art (芸術) → artist (芸術家)
  • biology (生物学) → biologist (生物学者)
  • special (特別なものごと) → specialist (専門家)
  • strategy (戦略) → strategist (戦略家)
  • piano (ピアノ) → pianist (ピアノ奏者)
  • guitar (ギター) → guitarist (ギター奏者)
  • violin (バイオリン) → violinist (バイオリン奏者)

"-ist"は、「基本的に名詞に使う」と書きましたが、動詞でも使う例があります。
下の例は、名詞と動詞の両方の用法がありますが、"-ist"を使う例です。

  • style (様式・スタイル) → stylist (スタイリスト・名文家)
  • copy (コピー・模倣) → copyist (模倣家)
  • type (タイプする・打ち込み入力する) → typist (タイピスト)

以上が大きな違いになりますが、英語の「○○する人」の表現はこれだけではありません。


英語の”-er”や”-or”などの使い分け

接尾語"-er"以外に、"-or", "-iour"や"-ant"を使う場合があります。

接尾語 "-or"の例
  • actor (俳優)
  • author (作家・著者)
  • creator (創造者)
  • collector (収集家)
  • professor (教授)
  • savior (救世主)

これらはラテン語が由来の単語のため、"-er"という綴りではない例外です。

また、アメリカ英語では"savior"と綴りますが、英語では"-iour"を使って"saviour"という綴りです。

古代フランス語由来の例

数は少ないですが、"-ant"の例として、"servant" (使用人・召使い)があり、これは"serve" (仕える)という動詞ですが、古代フランス語由来です。

古代フランス語が由来といえば、接尾語 "-eur"もあります。
"amateur" (素人)や"entrepreneur" (起業家)などがその例です。


英語の”-er”と”-ee”

英語では接尾語 "-er"ではなく、"-ee"を使用することで「受ける側の人」を意味する場合があります。

接尾語 "-er"と"-ee"の例
  • trainer (トレイナー・講師)
  • trainee (訓練生・受講者)
  • adviser (アドバイザー・助言者)
  • advisee (助言を受ける人)
  • payer (支払人)
  • payee (受取人)

これとは別に"attendee" (出席者・参加者)という言葉は一般的です。
元々は"attender"という表現でしたが、1970年代より"attendee"という表現に取って代わったといわれています。


英語の”-ist”や”-ian”, “-ast”などの使い分け

接尾語 "-ist"以外に、"-ian"をつける例も少なくありません。
傾向として「その道の専門家」の例が多く見られます。

接尾語 "-ian"の例
  • electrician (電気技師)
  • magician (手品師)
  • mathematician (数学者)
  • musician (音楽家)
  • politician (政治家)
  • technician (技術者)

また、稀な例ではありますが、接尾語 "-ast"の例として、gymnast (体操選手)があります。


このように、英語の特徴を把握して整理することで、新しい単語にも応用できます。
丸暗記ではない、英語を感覚として身に着ける助けになればと思います。

また、日本語の語彙をも豊富にするきっかけにもなりそうですね。


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今回もお読みくださり、ありがとうございました。

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