中国語の"的"と日本語の「の」は似ているけど…
日本語の助詞「の」は中国語の"的"と似ていて共通点は多いのですが、いくつかの違いがあります。
中国語学習ではなじみ深い"的"ですが、この違いを改めてみていきましょう。
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“的”と「の」の大きな違い
日本語の「の」は「私の本」というように、名詞の後につけて修飾します。
中国語の"的"は名詞だけでなく形容詞の後にも使う
これはとても大きな違いです。
このため、中国人が日本語を書く時に、つい「赤いの服(红色的衣服)」や「明るいの性格(开朗的性格)」という間違いをしてしまうのは、いかにも中国語っぽいです。
さて、中国語の"名詞 + 的"の場合でも、いろいろな興味深い違いがあります。
中国語の 名詞 + 的 との違い
“的”を省略する場合がある
「私のお母さん」は中国語で"我的妈妈"になりますが、"我妈妈"のように"的"を省略することができます。
その他、"你家"や"我们公司"など、近しい人や所属先などを指す場合、"的"を省略することが一般的です。
意味は同じで、"我妈妈"が「ワガママ」になるわけではありません。(当たり前ですね。すみません…)
もうひとつ例を見てみましょう。
这是我的妈妈,不是他的妈妈。
このように対比させる文では、"的"は省略できないので注意が必要です。
一般的には"的"を省略した場合も意味は変わらないのですが、次の例を見てみましょう。
中国朋友
中国的朋友
一見、同じように見えますが、中国語では違いがあります。
中国朋友 = 中国人の友達
中国的朋友 = 中国の友好国
というように、"的"を省略することによって意味が変わる場合があります。
また、日本語で
日本の車
日本車
というと同じような感覚がありますが、中国語で"日本的汽车"と"的"を入れることによって、日本車全般というよりは、より具体的な車種などを指す感覚になります。
"新产品"と"新的产品"という例も同様です。
「の」と”的”の位置が違う場合
次の例は、中国語に訳すと、日本語の「の」と"的"の位置が変わります。
この場合の「の」は、「が」を使ってもよいですね。
私の作ったおやつ
我做的零食
彼の住む家
他住的房子
“的”を使わない場合
日本語で「の」を使う場合でも、「○○のことが」で代用できる場合、中国語では"的"を使いません。
これは、中国語では動詞と名詞で変化がないことが大きな理由といえます。
(英語では、動名詞形 "~ing"や不定詞 "to ~"になりますね。)
私はピアノを弾くのが好き
我很喜欢弹钢琴
日本語で名詞の後に「の」がつく場合でも、中国語では"的"を使わない表現がよくあります。
典型的な例では
机の上 = 桌子上
のような位置を表す文では、日本語の「の」は"的"にはなりません。
次の例では、「の」は"的"ではなく"之"となります。("之"の省略もできます。)
授業の後
下课之后
発送の前
发货之前
ざっと見てもこのような違いはあるものの、やっぱり日本語の「の」と中国語の"的"の共通点は多いものです。
日本語の「の」と似ていること
上記を除いて、日本語の「の」と中国語の"的"の共通点は多いのですが、特に興味深いと思った2点をご紹介します。
「の」または”的”以下を省略できる
会話では、「これ私の」といった表現はよくあります。
「これは私の(本)」のように、お互いがその対象がわかっていれば「の」の後につける「本」は省略できます。
これは私の = 这是我的
これは日本語も中国語も同じです。
英語では、例えば"my"は"mine"に変化しますね。
「の」または”的”の繰り返しは2回
特に意図的でない限り、「の」の繰り返しは2回までで、3回以上になると くどく読みづらい文章になります。
私の好みの服の色
という例では、「の」の繰り返しを避けて
私の好きな服の色
と読みやすくした方が良いでしょう。
中国語でも同様に
我的爱好的衣服的颜色
は不自然で、
我很喜欢的衣服的颜色
といった文章が自然ですね。
このように、繰り返しを避ける、という意味では日本語も中国語も同じです。
(英語でも"of"の繰り返しは避けるのが一般的ですね。)
日本語の中国語の共通点と違いに目をとめてみると、いろいろな楽しい発見となりました。





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