中国湖南省平江の有名辣条ブランド 麻辣王子を食べてみた
今回、辣条(ラーティァオ)発祥の地、中国湖南省平江の有名辣条ブランド 麻辣王子を食べることができました。
中国湖南省といえば、中国でも最も辛い物が好まれる地域で、辛いもの好きの筆者としては期待!でしたが、実は不安も入り混じりながら試食してみました。
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辣条(ラーティァオ)とは?
"辣条"(ラーティァオ/ラーティアオ)は、小麦粉等の穀物や豆類を主原料に作られている麺状の食べ物で、名前のとおり辛みが特徴の、中国湖南省の平江発祥のおやつです。
"面筋"(ミァンジン)と呼ばれることも一般的で、平江人は"麻辣"(マーラー)と呼びます。
※ 一般的に"麻辣"(マーラー)は、唐辛子と花椒(ファージャオ)などによる「しびれる辛さ」の味付けを意味します。
食感は噛み応えのある麩のようですが、食感や味付けはさまざまで、それぞれの特徴があります。
現在は中国で幅広く好まれている辣条ですが、中国湖南省の平江発祥で、はじまりが"麻辣味"でこの味こそが地元の味と認識されています。
"麻辣"と聞くと四川省を思い浮かべる方も多いと思いますが、四川だけでなく一帯で好まれている味で、実は湖南省の人の唐辛子の年間消費量は、四川省の人のなんと3倍以上と言われるくらいに、辛い味付けを好む地域です。
- 辣条 [là tiáo] [ラーティァオ]
- 面筋 [miàn jīn] [ミァンジン]
- 麻辣 [má là] [マーラー]
- 花椒 [huā jiāo] [ファージャオ]
- 平江 [píng jiāng] [ピンジアン]
中国湖南省平江の有名辣条ブランド 麻辣王子
中国湖南省でも辣条のトップ・ブランドとして有名なのが、湖南玉峰食品实业有限公司の麻辣王子です。
麻辣王子には2つの味があります。
很麻很辣 [hěn má hěn là]
微麻微辣 [wēi má wēi là]
といっても、名前のとおりに麻辣味には変わりなく、辛さのレベル違いのようです。("微麻微辣"が辛さを抑えた方)
辣条は日常的に食べられるおやつだけあって、中には食品添加物を指摘する声もありますが、麻辣王子は520麻辣王子と呼ぶ、添加物を使わない健康志向を強く打ち出しています。
- 麻辣王子 [má là wáng zǐ]
- 湖南玉峰食品实业有限公司 [hú nán yù fēng shí pǐn shí yè yǒu xiàn gōng sī]
麻辣王子の生産工程
麻辣王子のウェブサイトには、工場で辣条ができるまでの様子が紹介されています。(中国語の"车间" [chē jiān]は「工程」の意味です。)
- 第一步:打粉车间 [dǎ fěn] (粉打ち工程)
- 第二步:挤压熟化车间 [jǐ yā shú huà] (押出熟成工程)
- 第三步:拌料调味车间 [bàn liào tiáo wèi] (調味工程)
- 第四步:内包装车间 [nèi bāo zhuāng] (内包装工程)
- 第五步:外包装车间 [wài bāo zhuāng] (外包装工程)
GMP(Good Manufacturing Practice)として、品質管理を通じた健康と安心を打ち出しています。
辣条 麻辣王子を食べてみた
今回、辛い方の很麻很辣の麻辣王子を試食することができました。
日本在住の中国人の友人がお取り寄せしたおやつのうち、ひとつが麻辣王子でした。
辛いもの好きの筆者としては期待!でしたが、実は不安も入り混じっていました。
その理由は、以前に筆者が取り寄せた洞庭哥 香辣魚をこの友人におすそ分けして、感想をもらっていたからです。
激辛注意!というレベルの香辣魚を食べた友人の感想は、「ちょっとだけ辛かった」でした。
それに比べて、この麻辣王子は「もっと辛い」とのこと。
辛さレベルが10段階として、「香辣魚は5で、麻辣王子は10くらい」と聞くと、正直不安です。
「香辣魚より麻辣王子の方がずっと辛いよ」とか「辛すぎて食べられなかったら、捨ててもいいからね。」と言われると、怖気づいてしまいます。
実は、この友人はスイーツ系も大好きな とってもチャーミングな女性です。
味覚が激辛に偏っているわけではなく、舌は確かなことは知っています。
「激辛好き = 男性の味の好み」という感覚は日本では まあ当てはまる傾向だとしても、中国の食文化を考えると完全に間違に間違いです。
このことは頭では理解しているものの、心は少し混乱気味。
そういえば、四川省出身の友人も想像を絶する量の唐辛子をフツーに食べていた…という記憶も蘇り…
でも、辛いもの好きの筆者としては、また、軽~い気持ちで書いた辣条の記事が予想に反して(!)人気記事として多くの方に読まれていることを思い巡らすと、「本場のトップ・ブランドの辣条を食べない」なんて選択肢はありません。
いざ試食!
意外に普通のパッケージ
麻辣王子のパッケージには、
地道辣条 (本場の辣条)
[dì dào là tiáo]
来自辣条发源地湖南平江 (辣条の発祥地 湖南平江からの)
[lái zì là tiáo fā yuán dì hú nán píng jiāng]
地地道道麻辣味 (本場中の本場の麻辣味)
[dì dì dào dào má là wèi]
【日本語は意訳】
と書かれています。("地道"は「本場の」といった意味です。)
"很麻很辣"とは書かれていますが、日本の激辛商品とは違って「激辛」とか「注意」なんて目を引く文字はありません。
でも、これは湖南の食品です。(日本人にとって)激辛で当たり前と思うのが普通です。
見た目も香りも意外に普通
見た目は、表面のスパイスの粒が少し大きめかな、という以外は普通の辣条。
香りも五香粉のような香りで、特別辛そうな印象は受けません。
長さも一般的な8cm程度と、普通の辣条過ぎて、特筆するものは何もなし。
フツーに美味しそうです。
ちなみに、麻辣王子には全長5.2mというとんでもない長さの辣条も販売しているようですが、この辣条はいたって普通です。
実際に食べてみた
一口かじってみると、けっこう柔らかい食感で、日本の麩と比べると硬めといった感じ。
その麩の中から、ラー油と化した菜種油がジワっと染み出てきていい感じですが、甘さも感じます。
噛み切るときの食感は、麩とは違った弾力感があって、よく噛んで食べることになります。
この食感は他の辣条にもある特徴です。
- 菜種油 = 菜籽油 [cài zǐ yóu]
「思っていたより全然辛くない」というのがここまでの感想で、普通に食べ進められます。これは予想外!
しばらくすると、ジワっとした辛さが来て、日本でいえば激辛レベルの辛さが出てきます。
でも、辛いもの好きにとっては「美味しい!」と思えます。
さすがに湖南の"地道"製品だけあって、一般的な辣条に比べると激辛といえます。
単なる激辛ではなくて、ちゃんと深みのある激辛。
筆者的には、日本の激辛商品とはまったく別の次元といえます。
筆者にとっては香辣魚の方がずっと辛く感じました。
とても美味しいので、次の1本、また1本と食べ進め、3本目あたりで少し自分に変化がありました。
筆者は辛いものは好きですが、汗はかきやすいのです。
辛すぎるとは感じないのに、少量にしては発汗作用がすごかったです。
香辣魚の時ほどではないですが、後から結構 汗が出てきました。
湖南や四川は盆地で、湿度の高い場所です。
体内の水分を出すということから、発汗作用を促す味付けが受け入れられた背景に納得です。
今まで食べた辣条の中で、自分にとっていちばん美味しい辣条でした!
試食前の覚悟はあっけなく消え、辛さのレベルだけでいえば、はじめに聞いていたのとは逆に「香辣魚は10で、麻辣王子は5くらい」だったと感じました。
"香辣" [xiāng là]という辛さと"麻辣"の辛さは まったく違った辛さなので、人によって感じ方は随分と差があるのでしょうね。不思議なものです。
プレゼントしてくれた友人に感謝です!
ネットでお取り寄せできます。
"微麻微辣"もあります。
今回もお読みくださり、ありがとうございました。
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