中国語と英語は似ている?
「中国語と英語は似ている?」 - こんな疑問を持った方は、おそらく文法的な共通点と違いが気になっていることでしょう。
この記事は、人称変化・複数形・量詞について書いていますので、シリーズ第1回目をまだご覧になっていない方は、こちらの記事からご覧いただくことをお勧めします。
今回は「私」「あなた」などの人称変化、複数形と数を数える言葉の量詞などについて中国と英語を比較していきたいと思います。
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「私」や「あなた」などの人称変化
第一人称 - "I"に相当する"我" [wǒ]
典型的な例文で
我吃饭了
私はご飯を食べました
があります。
"我吃饭了"の発音 ピンイン表記: [wǒ chī fàn le] / カタカナ表記: [ウォー チー ファン ラ]
この「私」に相当する"我"は、自分自身(第一人称)で老若男女問わずに使われます。日本語の「私」「僕」「俺」ような複雑な変化はありませんので、英語の"I"と同じ感覚です。
この複数形となる英語の"We"に相当する中国語は"我们" [wǒ men]と、複数を表す"们"が付くだけで変化はありません。("咱们" [zán men]と言う場合もあります。)
第二人称 - "You"に相当する"你" [nǐ]
第二人称となる「あなた」についても英語の"You"と同様に、中国語では"你" [nǐ]となります。
"You"の複数形は単数形と同じですが、中国語では"你们" [nǐ men]と表します。
中国語では目上の人などへの丁寧な呼びかけとして"您" [nín]が用いられますが、これは敬称のため複数("您们")にはなりません。
第三人称 - "She", "He", "It"に相当する"她", "他", "它" [tā]
第三人称となる英語の"She"と"He"は、中国語で"她" [tā]と"他" [tā]で、発音は同じですが漢字が違います。(女偏か人偏)
英語の"It"の場合は、中国語で"它" [tā]と書き、これも発音は同じです。
会話の中では文脈から理解することになりますが、正式ではない文面の場合は漢字を使わずに"Ta"という表記をする場合もあります。
中国語の場合、これらが複数形になるとご想像のとおり、"他们" [tā men]や"她们" [tā men]もしくは"它们" [tā men]となります。
英語の場合はすべて"They"になりますが、このような大きな変化はありません。
所有格について
英語の場合、「私の~」という場合は"I"から"My"に変化しますが、中国語の場合は"我的" [wǒ de]と"的"が付くだけで変化はしないので、わかりやすいです。
"的"は日本語の「の」に比較的近い感覚で使うことができますが、他にも違う使い方がたくさんあります。
同様に"他的" [tā de]や"她们的" [tā men de]という使い方になりますので、これもわかりやすいですね。
中国語では人称を略す場合も
例えば「(あなたは)ご飯を食べましたか?」という英語は
Did you have a meal?
となります。
これを中国語では
你吃饭了吗?
と言いますが、話しかける相手が明確な場合、
吃饭了吗?
と第二人称を略すことができます。
また、返事の時は"吃饭了"のように第一人称を略すこともできます。
英語だと名詞(この場合は第二と第一人称)はほぼ省略できないですが、中国語では可能で、日本語に近い感覚です。
冠詞と複数形
英語では"A"とか"The"といった冠詞がありますが、中国語にはこのような冠詞はありません。
また、先ほどの人称の部分で複数を表すために"们" [men]をつけることをお話ししましたが、目的語などにおいて名詞を複数形にすることは通常ありません。
このあたりの感覚は、むしろ日本語と同様です。
例
- 英語: My books
- 中国語: 我的书
"我的书"の発音 ピンイン表記: [wǒ de shū] / カタカナ表記: [ウォー ダ シュー]
量詞について
名詞の複数形はないものの、中国語には量詞があるのは英語に無い特徴です。
日本語では量詞は普通に使っていますので違和感はないと思いますが、英語から見ると大きな違いのひとつでしょう。
例:
- 一个苹果 = 一個のリンゴ ("个"は「個」の簡体字)
- 两张照片 = 二枚の写真
- 三条鱼 = 三匹の魚 ("条"は長細いものを数える量詞)
"一个苹果"の発音 ピンイン表記: [yī gè píng guǒ] / カタカナ表記: [イー ガ ピングオ]
"两张照片"の発音 ピンイン表記: [liǎng zhāng zhào piàn] / カタカナ表記: [リャン ジャン ジャオピエン]
"三条鱼"の発音 ピンイン表記: [sān tiáo yú] / カタカナ表記: [サン テャオ ユー]
英語と中国語は話者人口も多く、日本でも興味を持つ方の多い外国語ですが、どの言語も似ているところもあるけど違いも大きいと感じています。
そんな違いから新たな発見があることも、語学の楽しさのひとつではないかと思っています。
今回もお読みくださり、ありがとうございました。
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