「インターネット」をカタカナで書く場合には意識しないことですが、英文を読んだり書いたりする時には、少し不思議に思うかもしれません。
というのも…
Internet
the Internet
internet
と主に3つの表記を目にするからです。
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Internetのスペル最初は大文字? theは必要?
という疑問への答え
「どれが正しいの?」という疑問への簡単な答えは
通常は、どれでもよい
になります。
この「通常は」という遠回しな表現には、理由があります。
最も大きな理由は
特定の技術文書でない限りは、"internet"を指すものは、皆が日常的に使っている「インターネット」として暗黙の了解がある
と考えて差し支えないからです。
また、「特定の技術文書でない限り」という条件付けをしましたので、気になる方のために、少し解説を付け加えます。
internetとは?
"internet"の基になった言葉は、"interconnected network"です。
説明不要かもしれませんが、"inter-connected"という表現で世界中が接続されたネットワークであることを指しています。
このような国境を越えたネットワークの形態は各地で研究開発されてきましたので、広義での"internet"はいくつも存在している、と捉えることができます。
ただ、共通のルールが存在しないと、ネットワークの利用者間での通信が成立しません。
このため、「ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム」 (World Wide Web Consortium, W3C)という非営利団体が標準化の仕組みを考案し、一般的に「インターネット」といえば、この仕組みに準拠(じゅんきょ = 適合)したネットワークを指すようになりました。("W3C"よりも"WWW"の方が有名かもしれませんね。)
「インターネット」の黎明期(れいめいき = 夜明け)において、いくつも存在していた広義の「インターネット」から、"W3C"により標準化された狭義の「インターネット」が普及します。
W3Cによって標準化されたInternet
このように、"W3C"により標準化された狭義の「インターネット」こそが、私たちが日常的に使用している「インターネット」を意味します。
そのような意味で、当初は"Internet"という固有名詞として、最初を大文字にする必要がありました。
ただ、これはインターネット黎明期においての概念で、現代の日常会話の中で広義と狭義のインターネットの差を明確にする必要性は皆無といってよいでしょう。
Oxford Dictionariesにおいても、1974年当初から小文字の"internet"を採用していて、世界的にも小文字の方が多数派とのことですが、米国では"the Internet"と固有名詞としての大文字での開始 かつ特定するために冠詞を含む形で記述する方が多数派のようです。
また"Internet ~"と別の言葉をあわせて特定の内容を指す場合、例えば商品名を表すなどの場合は通常、冠詞をつけることになります。
まとめ - 大文字と小文字を区別する必要がある場合
このような背景から、一般的な場合においては、皆が利用している「インターネット」とその他を区別する必要はなくなっています。
しかしながら、その他の「インターネット」は存在していますので、それらを区別する必要のある(両者が登場する)技術文書においては、大文字と小文字を区別する必要があるといえます。
また、マニュアルなどの技術文書や論文などにおいては、その企業や研究機関などで表記の規則がある場合も考えられます。
普段は特に気にする必要はないですが、状況に応じて使い分ける必要は、現代でも残されているといえます。
今回もお読みくださり、ありがとうございました。
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