ニワトリは英語で…
小学生からこんな話を聞きました。
ある子供向け英語教室でのお話です。
先生がこのタイトルのような写真を見せて質問したそうです。
Q. これはなんですか?
その子は元気に"chicken"と答えました。
が… 先生の答えは非情にも「違います~ これは"rooster"です。」
残念そうに話してくれた小学生には同情するしかなく、「間違っているのは先生の方だよ。安心して!」と言って励す他ありませんでした。
この写真は鶏で、間違いなく"chicken"です。
chicken noun
Oxford Learner's Dictionaries (下線は筆者追記)
1. [countable] a large bird that is often kept for its eggs or meat
日本語なら、ましてや小学生に「(鶏という答えは)違います~ これは「雄鶏」です。」なんていうはずがありませんが、先生は「雄鶏」の単語を教えたかったことに気を取られ過ぎていたのでしょうか…
chicken, cock, rooster henの違い
英語で鶏の呼び名はこんな感じです。
- chicken = 鶏
- rooster = 雄鶏(アメリカ英語)
- cock = 雄鶏(英語)
- hen = 英語
図にまとめるとこうなります。
意地悪い言い方をすれば「先生、"rooster"は米語で、厳密には英語とは違います~」ともなりますが、日本で英語といえば未だにアメリカ英語ほぼ一色ですし、米国の影響力も大きいのもまた事実です。
ちなみに、「鶏」は"chicken"ですが、「鶏肉」もやはり"chicken"です。
どうやって区別できるのでしょうか?
chicken noun
Oxford Learner's Dictionaries (下線は筆者追記)
2. [uncountable] meat from a chicken
英語では「鶏」も「鶏肉」も"chicken" - 区別するには?
フライドチキン "fried chicken"という言葉があるとおり、"chicken"は、鶏でも鶏肉でも同じ"chicken"です。
牛は"cow"で牛肉は"beef"、豚は"pig"で豚肉は"pork"など、生きている場合と食肉の場合で呼び方が変わりますが、"chicken"は不変です。("cow"や"pig"にも違う呼び方はありますが、これはとりあえずおいておきます。)
でも、「鶏肉を食べた。」という場合は、
I had (ate) chicken.
で、「鶏を1羽所有していた。」という場合は
I had a chicken.
です。
「食べた」というのであれば、「eat」の過去形である「ate」が誤解のない言い方としてあるのですが、大きな違いは「a」がつくかどうか、ということです。(まあ、文脈や話の流れからも想像できることですが。)
これは、肉であれば「数えられないもの」で、生きているなら「数えられるもの」というとらえ方になります。
では、鶏肉を一切れ食べた場合はどうなるでしょうか?この場合は、
a piece of chicken
とすれば、一切れであることを伝えられます。
もし、鶏1羽を(丸焼きなどで)丸ごと食べた(たいらげた)という場合は、
a whole (roast) chicken
とすると伝わるでしょう。
なんだかややこしい気もしますが、普段私たちが何気なく使用している「1羽」「1切れ」などの、さまざまな単位に比べれば分かりやすいのでは、と思います。
もちろん、料理の名前を使ったり、「鶏の手羽」は"chicken wing(s)"というように、部位を含めたりするのも方法です。
各部位に関しては詳しい話は割愛しますが、主に以下の表現となります。
- chicken wing = 手羽
- chicken breast = むね肉
- chicken leg = もも肉(太ももより下の足・ふくらはぎ部分)
- chicken thigh = もも肉(太もも部分)
- chicken foot = ふくらはぎより下のつま先部分まで
一般的に日本でいう「もも肉」は、太ももとふくらはぎ部分なので"leg and thigh"になります。
今回もお読みくださり、ありがとうございました。
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