英語の曜日の名前が複雑な理由は? 中国語では?
英語を習い始めた時、Sunday, Monday, Tuesday…といった曜日の単語が書けなくて、いきなり挫折しそうになった経験はありませんか?
実は筆者もこのうちの一人です… (というか英語は完全に挫折していました。)
「なんでこんな面倒な呼び方なんだろう!?」と思いましたが、その時は日本語も日曜・月曜・火曜…と十分に複雑であることは眼中にありませんでした。
1年の「月」の名前に関しては、こちらの記事をどうぞ。
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曜日の名前の起源
1週間が7日間の制度は、世界中で通用します。
この時間周期の概念は、古代バビロンが起源といわれています。
当時は(地球の衛星の)月の満ち欠けを基準にした「太陰暦」で、この周期は29.53日となるため毎月1日か2日の「うるう日」を入れていました。
ローマによる制定から現代まで
暦の話をすると長くなるので割愛しますが、この古代バビロンの概念が、ローマ皇帝コンスタンティヌス大帝によって正式に制度として採用されたのが紀元321年といわれていて、現在に至るまで用いされています。
ローマでは、それぞれの日に信仰する神々の名前をつけ、それから惑星に対応させていきました。(当時は太陽・月と惑星の区別ができていませんでした。)
このため、ラテン語を起源とする言語ではこの影響が残り、それぞれの惑星の名前が曜日の名前として定着しています。
ご参考までに、ラテン語・スペイン語・フランス語・イタリア語も表にまとめておきます。
曜日 | 曜日(英語) | 惑星(英語) | ラテン語 | スペイン語 | フランス語 | イタリア語 |
---|---|---|---|---|---|---|
月曜日 | Monday | Moon | Dies Lunae | Lunes | Lundi | Lunedi |
火曜日 | Tuesday | Mars | Dies Martis | Martes | Mardi | Martedi |
水曜日 | Wednesday | Mercury | Dies Mercurii | Miércoles | Mercredi | Mercoledì |
木曜日 | Thursday | Jupiter | Dies Jovis | Jueves | Jeudi | Giovedi |
金曜日 | Friday | Venus | Dies Veneris | Viernes | Vendredi | Venerdì |
土曜日 | Saturday | Saturn | Dies Saturni | Sábado | Samedi | Sabato |
日曜日 | Sunday | Sun | Dies Solis | Domingo | Dimanche | Domenica |
日本語の曜日の名前は太陽・月・惑星から
この表から、日本語の曜日の名前も惑星(+太陽と月)と一致していて、これらの星が由来であることが分かります。
現代では日曜日は週の最後に位置することが多いですが、当時は日曜日が第1日目として数えられていました。(太陽・月・惑星の順番ですね。)
英語の曜日の名前

英語も同様に、曜日の名前が惑星と関連付けられているのですが、惑星の名前を見ただけでは火曜日から金曜日まではどうしても結びつきません。
それぞれには、神話とのつながりがあります。
Tuesday (火曜日)
この惑星に関連付けられたローマの神の名が、"Tiu (Tiw)"であったことが理由です。
Wednesday (水曜日)
この惑星に関連付けられたローマの神の名が、"Woden (Odin)"であったことが理由です。
Thursday (木曜日)
この惑星に関連付けられたローマの神の名が、"Jupiter"または"Jove"で、神話の中で雷と結び付けられていたことから「雷の日」つまり"the day of Thunder"となりました。
Friday (金曜日)
金曜日に関しては、残る神話の記述も非常に少なく明確な定義が不明とのことですが、登場する中での唯一の女神を表す"Frig"が語源となっています。ただ、"Frig"は固有名詞というよりも「愛・愛情」という一般名詞として用いられているそうで、ローマ人は"Venus" (ヴィーナス)と関連付けたと考えられています。
かなり複雑ではありますが、これでそれぞれが結びつきました。
中国語の曜日の名前
さて、中国語では曜日の名前はどのように呼ぶかというと、次のようになります。
- 月曜日: 星期一
- 火曜日: 星期二
- 水曜日: 星期三
- 木曜日: 星期四
- 金曜日: 星期五
- 土曜日: 星期六
- 日曜日: 星期日
日曜日を除いて、月曜から順番に数字になっていて分かりやすいです。
また、"周一","周二","周三"…"周日"と表記されることもあります。
特に古代において日本には中国から多くの文化が入ってきました。
でもなぜ、中国語は日本語と異なるのでしょうか?
中国語の曜日はなぜ数字?
中国にもローマによる「1週間は7日間」の制度が、明代末期から清代初期にかけてキリスト教と共に伝搬されたといわれています。
当時は、この"七曜星" [qī yào xīng]としてそれぞれ、
- 日曜 [rì yào]
- 月曜 [yuè yào]
- 火曜 [huǒ yào]
- 水曜 [shuǐ yào]
- 木曜 [mù yào]
- 金曜 [jīn yào]
- 土曜 [tǔ yào]
とされていましたが、現代の表記が曜日に使われるようになりました。
この背景には、清代の末に西洋の学問を取り入れて教育改革を主導した袁嘉谷 [yuán jiā gǔ]氏らが、月曜日を第1日目と取り決めたことがあります。
その名残りとして、"星期" [xīng qí]がありますし、日曜日は"星期日" [xīng qí rì]と呼ばれます。
中国語で日曜日の呼び方
また、キリスト教と共に伝搬された名残りとして、日曜日は"礼拜天" [lǐ bài tiān](礼拝の日)とも呼ばれます。
"星期日"は"星期天"とも呼ばれることがありますが、これは俗称で、中国語では「1日」の「日」を"天"と呼ぶことからであって、正式な表記ではありません。
今回もお読みくださり、ありがとうございました。
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