日本語と猫
猫は、日本人の生活とに密接な関係があります。
長年、猫は奈良時代から平安時代の間に、中国から仏教の経典を船で運ぶときに、中国から渡ってきたものと考えられてきました。
2011年に、長崎県壱岐(いき)市のカラカミ遺跡からイエネコの頭骨が出土したことから、弥生時代には日本に存在し、農家の穀物を守る役割があったことがわかりました。
そのような猫に関する比喩は日本独特の表現で、数多くあります。
猫に関する比喩のいくつかを、中国語と英語で解説した記事を書きました。
中国語と英語は、単なる翻訳ではなく、文化背景の理解度もありますので、それぞれ加筆しています。
また記事には、それぞれの説明といくつかの挿絵を交えて紹介していますので、ぜひご覧ください。
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中国語と英語の記事で紹介している「猫に関する比喩」の一覧
猫の体に関する比喩
猫舌 (ねこじた)
熱いものが食べられないこと
猫背 (ねこぜ)
姿勢が悪く、背中が曲がっていること
中国語では「ラクダの背」と表現するそうです。おもしろいですね。
猫の額 (ねこのひたい)
面積がとても小さいこと (どこまでが額か判別不能な気もします…)
猫の目 (ねこのめ)
よく変化すること
猫撫で声 (ねこなでごえ)
猫が飼い主に甘える時の声、または飼い主が猫を可愛がる時の声
猫の手も借りたい (ねこのてもかりたい)
とても忙しいこと (実際には、猫に手はなく、前足と後ろ足ですが…)
猫足 (ねこあし)
静かに歩くこと
猫の尻尾 (ねこのしっぽ)
あっても なくてもよいもの (本当はとても大事ですが…)
猫の性格や行動に関する比喩
借りてきた猫 (かりてきたねこ)
とても物静かな様子
猫を被る (ねこをかぶる)
「借りてきた猫」を演じること
猫に小判 (ねこにこばん)
有難みがわからないこと
中国語では「牛に琴を弾く」と表現します。
猫にまたたび (ねこにまたたび)
猫に鰹節 (ねこにかつ(お)ぶし)
とても嬉しい物や事柄
猫を追うより鰹節を隠せ (ねこをおうよりかつ(お)ぶしをかくせ)
猫を追うより魚を除けよ (ねこをおうよりさかなをよけよ)
根本的な解決ではなく、一時しのぎの対策
猫まんま (ねこまんま)
猫が好きな、鰹節ご飯
猫跨ぎ (ねこまたぎ)
食欲がわかない食べ物
ねこばば / ネコババ
こっそりと自分のものにすること。猫の糞を指す言葉で、猫が用を足した後に砂で隠すことから、悪事を隠ぺいするとされたことが由来だそうです。(完全に冤罪です)
その他の猫に関する比喩
猫も杓子も (ねこもしゃくしも)
「誰もかれも」「なにもかも」の意味で、一休法師の「生まれては死ぬるなりけりおしなべて 釈迦も達磨も猫も杓子も」から、という説が有力です。(他にも説はあります。)
猫かわいがり (ねこかわいがり)
溺愛すること
このようなお話を、中国語と英語で書いてみました。
中国語や英語の勉強に、また日本文化を通じた周りの外国の方との交流の場となれば嬉しいです。
今回もお読みくださり、ありがとうございました。
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