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通常入力できない特殊な漢字を表示する方法
現在はほとんど使われていないなどの理由で、データとして登録されていない漢字もありますが、中には通常の方法では入力できなくても表示できる場合があります。
ただし、インストールしたフォント内にデータがない場合は、空白として表示されてしまいます。
このような特殊な文字を入力するには、文字コードと呼ばれる文字データのIDを直接入力します。
ここでは、例として2つの漢字を入力してみましょう。
日本の漢字「たいと」を入力して表示する方法
ひとつめは、現在使用されている漢字として日中韓でも84画と最多の画数の和製漢字「たいと」を入力してみます。
(実際の使用頻度は疑問ですが…)
文字コードは漢字の読みと「Unicode コード」などのキーワードをあわせてウェブサイトで調べるか、一覧から探し出すかが必要なので、結構たいへんです。
この「たいと」は、Unicodeではコード 3106Cに割り当てられています。
例として、Microsoft Wordでの入力方法を説明します。
- 挿入 → 記号と特殊文字 → その他の記号 に移動します。
- フォント名で使用するフォントを選択します。(例: Noto Sans CJK JP Medium)
- コード体系はUnicode (16進) を選択します。
- 文字コードに3106Cと入力します。
- 挿入ボタンをクリックします。
- 必要に応じて、4から繰り返して別の文字を続けて入力できます。
文字コードを入力する以外に、表示されている一覧から選択することも可能です。
表示されていない場合は、種類のリストを変更してみてください。
ご注意:
ここに表示されていない文字は、選択したフォントでは入力や表示はできません。
「ビャンビャン麺」の「ビャン」を入力して表示する方法
難しい漢字として話題になった陝西(せんせい)地方の「ビャンビャン麺」の漢字はこれです。
ビャンの1文字で56画(または57画)になります。
しかしながら、この漢字は古代に作られた陝西地方の文字のひとつで、伝統的に(また商業的に)残されているだけなので、現代では標準的な漢字ではありません。
お気づきのように、基本的な漢字や部首の集合体ですので、現在の中国で使用されている「簡体字(かんたいじ)」 "简体字" [jiǎn tǐ zì]に部分的に置き換えることができます。
そうすると、画数は42画となります。
このビャンの文字は、コード(ID)として
繁体字版: 30EDE
簡体字版: 30EDD
が割り当てられています。
先ほどと同様の手順で、文字コードに30EDEまたは30EDDと入力することで、ビャンの漢字を入力できます。
専門的になりますが、これらの漢字はUnicode CJK統合漢字 拡張グループG (CJK-G) U+30000~U+3134Aの4,939文字の範囲内に割り当てられていて、最近の拡張になります。
ここで紹介した「たいと」と「ビャン」(2種類)は、この拡張グループGに含まれています。
このため、フォントがCJK統合漢字に対応していたとしても、拡張グループGに未対応の場合は表示できません。(Noto Sans CJKは対応済みです。)
Microsoft公式サポートページ: WordでASCIIまたはUnicodeの文字コードを挿入する
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