【続編】日本語に入り込んだ日本語英語が危険!
日本語の中に英語を混ぜて使うのはもはや日本文化のひとつ。
食べ物の名前にも、カタカナ語がいっぱい。
これって英語だよね…と思ってそのまま使ってしまうと、思わぬ落とし穴が!?
今回は、こちらの創作記事の続編として、現場よりお送りします。
英語を使ったカフェでの国際交流イベントを企画したAさんと、参加した仲間達。
英語だと思って使ったら、実は全く違って次々と罠にはまってしまいました。
料理はバイキング形式(英語では"buffet")で、飲み物はテーブルオーダー(英語では"order at the table"や"table service")で食事を取っていました。
今回は、その時の食事の様子です。
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英語での国際交流会【食事編】
Aさん、"Foods are self-service."なんて説明してましたが、「食べ物は自分で取ってください」という意味でしょう。
英語では"Please serve yourself."が自然な表現です。
料理はたくさんあるようですが、実は、一般的な「食べ物」を指すとき、英語の"food"は複数形の"s"をつけない(不可算名詞)で表すのが基本です。
ここを複数形にすると、なんだか「様々な種類の加工食品・商品群」みたいな、ちょっと硬いビジネス用語っぽく響いちゃいます。
さて、どんな料理が並んでいたか、Aさんの料理の説明に耳を傾けてみましょう。
"It's fried potato!"
フライドポテト fried potato
ハンバーガーチェーン店でもおなじみの「フライドポテト」。
"fried potato"といかにも英語っぽいのですが、あの細長く切ったジャガイモを揚げた料理は
英国式英語: Chips
米国式英語: French fries
といいます。
英国では、タラなどの白身魚のフライと一緒に提供される"Fish-and-chips"は有名ですね。
"chips"とありますが、「ポテトチップス」ではないのです。
※ ちなみに英国で、いわゆるポテトチップスは"crisps"と呼びます。
米国で"French fries"(フランスの揚げ物)と呼ぶのは諸説あります。
- ベルギー発祥だけど、ベルギー軍の公用語がフランス語だったからフランス人と勘違いした
- 料理の専門用語で、食材を太目に千切りする、された状態のことを"Frenching"や"frenched"と呼ぶから
- アメリカの第3代大統領トーマス・ジェファーソンは、フランス大使を務めていたこともあり、大のフランス料理好きで定着した
ちなみに、日本語の会話の中では「ポテト」というと「フライドポテト」や「ポテトチップス」を意味していて、「じゃがいも」とは区別している人がいるようですが、英語の感覚からすると意味不明です。
英語の"potato"は、紛れもなく「じゃがいも」です!
"potato"の発音
もっと言うと、英語のお教室でありがちな「ポテェイロウ」という「テェイ」に独特なアクセントをつけ、Tの音がラ行っぽくなる発音は、米国式の発音です。
英国人に対してこの発音をすると、「ポテートゥ」みたいに直されますので、かえって恥ずかしいです。
「ポテェイロウ」が正しいとの思い込みには、ご注意を!
※ 「バナナ (banana)」も、英国では米国発音の「バニャアナァ」ではなく、「バナァナァ」です。「米国式英語が正しい」とする、日本の英語教育の大罪ですね…
お次は、Aさん"It's hot cake!"なんて言ってます。
これを聞いて、みんなが熱狂する「飛ぶように売れるケーキ」を想像するのは、英語ネイティブ達です。
ここの参加者はみんな分かっているので、いちいちツッコミはしていないようですが…
ホットケーキ hot cake
「ホットケーキ」は和製英語で、正しい英語はこうです。
正しい英語: Pancake
この"pan"は「フライパン」のことです。
通常、ケーキを焼くのは「オーブン (oven)」ですが、「フライパンで焼ける手軽なケーキ」なんですね。
「ケーキ」と言っても、朝食などでソーセージや卵料理などとあわせて食べることが多い、一般的な主食のひとつです。
英語の慣用句、"sell like hot cakes"は、「飛ぶように売れる」という意味で使われます。
ちなみに、私たちが普段食べている日本語の「パン」はポルトガル語の「パオ (pão)」が由来。
英語は"bread"なので、とっさに言い間違いしないように気をつけたいところです。
お次は、Aさん"I like this pizza toast! Eat it!"と紹介しています。
ピザトースト pizza toast
確かに美味しい「ピザトースト」ですが、英語ネイティブの感覚では「pizzaなの?toastなの?どっち?」となります。両者はまったく別の食べ物として認識されますからね。
実は「ピザトースト」って、昭和の日本の喫茶店で生まれた日本発祥のメニューなんです。(東京・有楽町のカフェが元祖と言われています)
だから「ピザトースト」を英語で表現するには、説明するしかありません。
正しい英語: A slice of toast topped with pizza ingredients.
(トーストにピザの材料を乗せたもの)
さて… 次はAさん、さすがに違和感を持ったのか口ごもってしまいました…
アメリカンドッグ American dog
"Hot dog"(ホットドッグ)は一般的な英語ですが、初めて聞いたとしたら恐怖しかありませんね。
なぜ「犬」かというと、諸説ありますが、ホットドッグに挟む長いソーセージが犬の「ダックスフント」に似ていたことから"Hot dog"と呼ばれたと言われています。
「熱い犬」も十分に衝撃的ですが、「アメリカの犬」も同等の破壊力がありそうです。
正しい英語: Corn dog
やっぱり「犬」でした…
なぜ"Corn"(とうもろこし)かというと、生地に「とうもろこしの粉」を使用しているからです。
串揚げタイプも「ダックスフント型」の派生なんですね。
"Corn dog"と聞くと、なにかのマスコットキャラクターを想像してしまいそうですが、「アメリカンドッグ」の英語です。
"Hot dog"も"Corn dog"も、犬食文化とは無関係でした。
"American dog"(アメリカの犬)は本物の「犬」なので、食べられることはありません。
お次はメインディッシュの説明のようです。
Aさん、"Here is Hamburg!"と言ってますが…
ハンバーグ Hamburg
残念ながら、ここはドイツのハンブルグではありません。
「ハンバーグ」の正しい英語は
正しい英語: Hamburger
です。
カタカナ読みすると「ハンバーガー」ですが、パンに挟んでいない「ハンバーグ」もこのように呼ばれます。
あえて区別するなら、"Hamburger patty"と呼びます。
日本のタマネギなどの野菜やパン粉などのつなぎを入れた料理は、"Salisbury steak"と呼ばれます。
「ハンバーグ」は、ドイツのハンブルグ発祥で、その地名からこのように呼ばれています。
世界中で愛されている料理ですが、元々は「硬くて安いお肉を、なんとか美味しく食べよう」と細かく刻んで(ミンチにして)ステーキに見立てて作ったのが始まりなのだとか。ちょっと涙ぐましい(?)背景があるんですね。
おっと、メインディッシュは「ハンバーグ」だけではないようです。
Aさん"And… It's steak!"と紹介しています。
ステーキ steak
牛肉のステーキ、これは英語で"steak"で正しいです。
ただ、日本のステーキと英語圏の"steak"には大きな違いがあります。
英語圏の"steak"は、まさに肉の塊!
薄切り肉に馴染みの深い日本人からすると厚切りに見える「ステーキ」も、英語圏の"steak"と比べると"sliced meat"(薄切り肉)の部類だと思っておいた方がよいでしょう。
海外で"steak"を注文する場合は、量と硬さの覚悟を持つことをお勧めします。
ギザギザの刃がついたナイフが提供されるので、のこぎりのように切りながら食べます。つまり、歯で噛み切る前提ではないのです…
逆に、来日した英語ネイティブには、単に"steak"だけでなく、"Thicker sliced beef (meat)"という補足説明をしてもいいかもしれません。
この「バイキング」には「デザート」もあるようです。
Aさん、デザートの紹介を始めました。
しっかりと「デ」にアクセントをつけて、自信たっぷりに言いました。
"We have desert as well!"
思わず英語ネイティブの1人が吹き出して、さすがにツッコミました。
気づきましたか?
「デ」にアクセントを置いたから"desert" (/ˈdezət/)に、つまり「砂漠」になっちゃったのです!
それを言うなら"dessert" (/dɪˈzɜːt/)です!
綴りも違うので、書くときにもご注意を!
恥ずかしい間違いを知って、顔を真っ赤にしながらも、Aさんは続けました。
"Please eat chou cream!"
あれ、英語ネイティブは、これ以上突っ込まないように…と思いながらも肩を震わせています…
シュークリーム chou cream
この「シュークリーム」、日本人がフランス語の「シュー(chou)」と英語の「クリーム」を合わせて作った、日本でしか通じない言葉です。
フランス語では「シュー・ア・ラ・クレーム (chou à la crème)」と言います。
この"chou"はキャベツを意味して、焼き上がりの形を表しています。
英語ネイティブが肩を震わせていたのは"shoe cream"(靴クリーム)に聞こえたから。
日本の「シュークリーム」を知っていても、「靴クリームを食べて!」なんて言われたらツボにはまります…ツボにはまります…
正しい英語: cream puff
この"puff"は、「ふわっと膨らんだもの」や「息をぷっと吹き出す」ような語感を持つ言葉で、この焼き菓子の生地のフワフワ + サクサクの感じを表しています。
デザートには「プリン」もあるそうです。
このカフェ自慢の「滑らかな食感」がウリのプリンです。
Aさん、"And finally, here is the pudding with a special, smooth texture!"
(最後に、これが特別な、滑らかな食感のプリンです!)
惜しい… "pudding"が英語では違うものを指すところ以外は完璧でした…
プリン pudding
日本の「プリン」は英語の"pudding"が語源ですが、日本語の「プリン」とは違って、特定の「これ」というものを指す言葉ではないのです。
日本語でいう「プリン」の英語は
英国式英語: Crème caramel
米国式英語: Flan
です。
米国式英語の"Flan"は、英国では別のものを指していて、「焼き菓子やケーキの生地で作った、卵やチーズ、果物を詰めたパイ」を意味します。
英語の"pudding"は、英国式と米国式で違いがあります。
米国式英語の"pudding"から説明すると、
米国式英語の"pudding"
- 果物やチョコレート味などのクリームで、冷たい甘い食べ物
という意味になります。
一方、英国式では
英国式英語の"pudding"
- 食後に食べる甘い食べ物
- 小麦粉や卵を材料とした、果物やジャムなどを中に入れたり上に乗せたりして作る、温かくて甘い、ケーキのような料理
- 小麦粉や卵で作った、柔らかい生地を使い、肉を詰めて作るパイのような温かい料理
を指します。
英国やその影響を受けた国々で大きく変わり、地域や季節(クリスマスなど)によって、特徴的な料理があります。
そのようなわけで
- 米国の"pudding"は、ほぼクリームなので当然滑らか
- 英国では滑らかにはならない焼いた料理
という違いから、聞く人によって印象がまちまちなのです。
さて、この食事の後にも、Aさんの勘違い英語はたくさんありました。
このページから読みはじめられた方は、ぜひこのAさんを反面教師に、正しい英語を身に着けてくださいね!






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