日本語に入り込んだ日本語英語が危険!
日本語の中に英語を混ぜて使うのはもはや日本文化のひとつ。
でも、日本語の中に英語を混ぜるとカッコいい、と思ってる人が未だに少なくないというのは筆者の日ごろの疑問です。
正しい英語の用法ならまだしも、誤解したまま英語交じりに話すと逆効果ですよ!
今回は、英語を使ったカフェでの国際交流イベントに参加した仲間達のサバイバルという設定で、その様子を見ていきましょう!
※ 英語の"survival"は「生き延びること」「生き延びた人」の意味で、実際は生死に影響しませんので、ご安心ください。
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英語での国際交流会
時間どおりに、近くの駅でみんなが集まった。
今回のイベントを企画してくれたAさんが、場を盛り上げようとみんなに声をかけました。
「今日のイベント、アグレッシブにいきましょう!」
アグレッシブ aggressive
Aさん、「アグレッシブ」なんて言ってます…
おそらく「積極的にいこう」「物おじせずにいこう」と言いたいと思うのですが…
本来の英語の意味: 攻撃的な、挑戦的な、好戦的な
肯定的な意味でも使うことはありますが、国際交流イベントではちょっと言い過ぎかも…
「今日の活動はテロですか?」と、海外からの参加者が怯えてしまうかもしれません。
こういう場合は、"proactive"(先を見据えて積極的に)が適切でしょう。
ちなみに「イベント」の英語は"event"です。"v"の発音は、下唇を上の歯で軽く噛むように、しっかりと"ヴ"を発音しましょう。
Aさんの流れに乗って、Bさんは続けました。
「テンション上げていこう!」
テンション tension
「気分やノリをあげて楽しもう!」という意味だと思うのですが…
本来の英語の意味: 緊張、不安、敵対意識
せっかくの国際交流イベント、Bさんは「場を盛り上げたい」だけで、決して「緊迫状態」を作りたいわけではないはずです。
この場面なら、"Let's get excited!"や"Let's enjoy it!"が適切でしょう。
カフェに着いたみんな、とってもいい雰囲気のお店です。
ここはAさんが選んだお店。Aさんは期待に満ちたみんなに向けて、ちょっと得意げに言いました。
「ここのカフェ、すごくアットホームで落ち着くんだ」
アットホーム at home
本来の英語の意味: 自宅で、自宅にいる状態
英語で形容詞のように前に付けて"at home cafe"って言うと、なんだか「自宅で営業している」感じになってしまいます。
それを言うなら、"cozy"(居心地が良くて安らぐ)では…と思った人もいたようですが…
Aさんは続けました。
「バイキングもあるよ」
「料理はとってもボリューミーだしね!」
バイキング viking
本来の英語の意味: 北欧の海賊
交流会の参加者が「海賊」なら、かなり緊迫してそうなので、攻撃的になる必要もあるかもしれませんが…
英語で「自分で料理を取りに行く形式の食べ放題」は、"buffet"を使います。
ボリューミー volumy (?)
英語に"volumy"という単語は存在しない
英語の"volume"は量、体積、容積という名詞ですが、これを形容詞化した単語はありません。
"huge"や"generous portion"といった形容詞が適切です。
日本のカフェはコーヒーをはじめ、いろいろな飲み物や料理を楽しめる洋風の小さなレストランを指すことが多いですが、英語での"cafe (café)"は、飲み物と軽食(サンドイッチやスープなど)を提供する小さなお店です。
さて、お店に今回の参加者が集まってきました。
はじめにAさん、準備してきた英語で参加者たちに話しかけました。
"Thank you for coming!"
完璧なスピーチを決めた後、思いついたようにこう付け加えました。
"This is a self-service cafe, and all foods and drinks are service."
英語ネイティブたちは、状況を理解しているものの、一瞬「えっ……?」と引きつった笑いを浮かべています。
せっかくのAさんの企画なので微笑ましく聞いてくれていますが、脳内は混乱ぎみです。
サービス service
本来の英語の意味: 接客、奉仕、世話、貢献、尽力など。(形式的な表現では「役務」)
日本語だと「サービス = 無料のおまけ」と結びつけられがちですが、英語では"service"は「労働」なので、基本的に有料(対価が発生するもの)です。
"self-service cafe"のような「セルフサービス」という表現は英語として自然だっただけに、最後の最後でちょっと惜しかったですね…
ちなみに、「無料」と言いたいときは"free"や"complimentary"を使います。
Aさんは、英語ネイティブの反応を見て、ちょっと焦りながらもこう続けました。
"Drinks are the table order."
テーブルオーダー table order
完全な和製英語
またやらかしてしまったようです…
2つの名詞をつなげた不自然な英語、さすがに英語ネイティブは「テーブルの秩序・命令」とは思わないし、ちゃんと和製英語も知っているようで、微笑ましく思ってくれているようです。
「席で注文する」形式は、英語では"order at the table"や"table service"が適切な英語です。
ここのカフェにはお酒もあるようです。
Aさんと仲間達は、何を飲もうか英語で好みを出しています。
でも、「この場でお酒は…」ということで、全員が一致したのは
ソフトドリンク soft drink
本来の英語の意味: アルコールを含まない冷たい飲み物。炭酸飲料を指す場合が多い。
これは大きく違いませんでした。
日本語では、お茶もジュースも「ソフトドリンク」に含まれることが多いですが、炭酸飲料を飲みたくない人もいたようです…
ジュース juice
本来の英語の意味: 果物や野菜から出た液体(飲料など)
日本だと、果汁100%でない「清涼飲料水」も「ジュース」と呼ばれることがありますが、英語では違います。
果汁100%ではない、いわゆる日本のメロンソーダやサイダーのような炭酸飲料がよければ、"soda"が適切です。
そして、「お茶」は"tea"ですが…
ストレートティー straight tea
完全な和製英語
英語の"straight"はお酒に対して使うと「希釈されていない原酒」という意味ですが、お茶に対しては使いません。
砂糖やミルクなしの普通の紅茶は"black tea"と言います。"black coffee"は、コーヒーの色が黒いので感覚的に自然だと思いますが、「紅茶」でも"black tea"で、"red tea"ではありません。
これからみんなで食事を取りに行くのですが、この「食事」の部分については、本当にいろいろとあったようですので、別の記事でお話ししますね。
さて、それぞれの自己紹介の後、自分の趣味や性格について語り合ったようです。
会話の中で、こんな声が聞こえてきました。
"I am so naive." (私、けっこうナイーブだからさ〜)
ナイーブ naive
きっと「自分は繊細で感受性が豊か、傷つきやすい性格」って言いたかったのでしょう。
本来の英語の意味: 世間知らずな、うぶな、ばか正直な、考えが甘い
この"naive"は、日本語での感覚と大きく違うので、気をつけるべき表現です。
この楽しそうな雰囲気を見る限り、騙されてテロ活動に駆り出されたわけではないようですし…
「控えめ」であれば"modest"という表現がいいですね。
こんな声も聞こえてきました。
"I am quite conservative." (私はかなりコンサバだから)
コンサバ conservative
「安定志向」「保守的で手堅い」といった意味で使ったのだと信じたいのですが…
本来の英語の意味: (見方や価値観が)保守的な、(政治的に)保守主義の、保守主義的な
生活様式や考え方、服装の文脈での"conservative"であれば、「古風な」「地味な」といった意味として伝わりますが、話の流れによっては「余程の頑固者」とか「政治的な強硬右派」を思い浮かべてしまうかもしれません。
いや、確かにこれは普通の「国際交流イベント」で間違いないようです。
笑い声の中、こんな声も聞こえてきました。
"He is so unique!" (彼ってホントにユニークな(おもしろい)人)
ユニーク unique
雰囲気からして褒め言葉のようですが…
本来の英語の意味: 唯一(無二)の、変わった、珍しい
英語の語感では、"He is fun."(楽しい人)や"He has a great sense of humor."(ユーモアのセンスがある → 場を和ませる)が適切です。
"He is really funny."(おもしろい人)でもいいですが、流れによっては「変人」扱いになってしまいますので、ご注意を!

海外の大富豪の話も出たようです。
"I look up to British celebrities!" (英国のセレブにあこがれるの!)
セレブ celebrity
本来の英語の意味: 有名人、著名人 (富豪とは限らない)
もしかしたら、これで誰もが知る有名人の話題になるかと思ったのかもしれませんが、英語の"celebrity"は幅広く、地元のタレントや、ちょっと顔の知られた一般人も含まれます。
成金的なゴージャス感を表現したいなら"wealthy"や"luxurious"が適切です。
そんなわけで、話は思わぬ方向に進んでいったのか、日本では聞いたことのない名前が次々に飛び出したようです。
こんな声が聞こえてきました。
"She is maniac."(彼女はすごくマニアック(で詳しい))
マニアック maniac
本来の英語の意味: 熱狂的な愛好家、凶暴な(手の付けられない)人
褒め言葉として単に「すごく詳しい」と言うのであれば"She is very familiar with ~."が適切です。
その他にも、こんな表現もあります。
- She knows a lot about it. (よく知っている)
- She is really nerdy (geeky) about ~. (~についてすごくオタク気質(詳しい))
- She is a real nerd. (オタクっぽい)
- She is really into it. (かなりハマっている)
- She is a hardcore fan. (熱狂的なファン)
このような雰囲気で、決して危険な集まりではなく、テロリストや海賊はもちろん、極右や狂人がいたわけではなく、楽しい国際交流イベントが進んだようです。
え?「この後はどうなったか?」ですか?
この続きは、またの機会にお話しできれば、と思っています。
それにしても、日本語に入り込んだ英語をそのまま使ってしまうと、とんでもない罠があることが、これだけでも感じていただけたのではないでしょうか?
日本語の中に英語を混ぜるとカッコいい、と思うのは個人の好みなので、筆者の疑問はあれど、否定するつもりはありません。
ただ、間違ったのに気付かないまま、知ったかぶりで使ってしまうと、どこかで「残念な人…」と思われているかもしれません。
せっかく美しい日本語があるのですから、日本語で話せばいいのに…と思いますが、同時に英語での正しい表現をしっかり身に付けて、使い分けができれば、それがいちばんカッコいいのではないかと思っています。






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