社内に蔓延!?つい出てしまう英語交じりの日本語
毎日のお仕事の中、予定の調整ってたいへんですよね…
関係者を決めて、日程や時間を見ながらこの日時に決めたい…
でもうかうかしていると、あの人の予定が埋まっちゃった…
なんてこと、日常茶飯事かもしれません。
だから毎日、社内にこんな言葉が飛び交っている光景も珍しくありません。
「予定をFix(フィックス)しましたので、お願いします。」
「予定をRelease(リリース)していただいて結構です。」
こんな表現は、外資系企業・日系企業問わずに使われているようです。
でも、普段から英語に接している方からすると、ここに「Fix」や「Release」が入ってくると「?」となるかもしれません。
その違和感、正解です!
今回は、予定に関する英語表現を見ていきましょう。
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「予定をFix」って正しい英語?
日本語の中の「Fix」は、「何かを決める」という意味で、広く使われているようです。
英語の"fix"は「修理」という意味で使われることが多いですが、確かに「調整」という意味もあります。
それ以外にも多くの用法がある"fix"ですが、ここでは代表的な3つの用例を見ていきましょう。
Oxford Advanced Learner's Dictionaryに掲載の"fix"(動詞)の定義を抜粋しました。
直訳感を残した和訳は筆者によるものです。
fix verb
1. repair 修理
A2 fix something to repair or correct something
何かを直したり正しくすることで、何かを修理する。
- The car won't start — can you fix it?
この自動車が走らない - 修理できますか?- I've fixed the problem.
私はその問題を修正した。2. arrange 調整
B1 to decide on a date, a time, an amount, etc.
日付や時間、数量などを決定する
- fix something Has the date of the next meeting been fixed?
何かを調整・決定する - 次回の会議日程は決定されましたか?- Their prices are fixed until the end of the year (= will not change before then).
これらの価格は年末まで固定されました(これ以前は変更されない)。- fix something for something A second trial date was fixed for 7th December.
何かのために何かを決定する - 第2回の試行日程は、12月7日に決定されました。B2 to arrange or organize something
何かを手配または準備する
- fix something I'll fix a meeting.
何かを手配する - 会議を手配します。- fix something up You have to fix visits up in advance with the museum.
何かを手配しておく - 博物館への訪問は事前に手配しなければなりません。- fix something up for somebody Just give me a list of your friends, and I'll fix things up for them.
誰かのために何かを手配しておく - 友人たちのリストを渡してくれれば、彼らのためにものごとを手配します。3. attach 取り付ける
fix something + adv./prep. (especially British English) to put something in a place so that it will not move
(特にイギリス英語で)(形容詞や目的語をつけて)何かを取り付ける - 何かを動かないようにその場所に取り付ける・固定する
Oxford Advanced Learner's Dictionary
- to fix a shelf to the wall
壁に棚を取り付ける- to fix a post in the ground
地面に郵便箱を固定する
この他にも、"position/time"(正確な位置・時間などを突き止める)、"food/drink"(特にアメリカ英語で、飲食物を準備する)など、多くの例がありますが、ここでは割愛します。
特に2.arrange(調整)の部分は、例文を多めにご紹介しました。
ここではっきりするのは、A2として、"repair"(修理)が先に出ていることと、"arrange"という意味では具体的な決定事項(日付や時間、数量など)を明確にしていることです。
予定をFixする
という用法は英語の観点でも間違いではないですが、「予定」という対象においては単に「確定」というよりも「修正」を経た具体的な決定事項として捉えられることがほとんどです。
✅ おおよそ計画 → 修正が入る → 確定
それなのに
❌ 決定という意味で常に使う
これが違和感の正体です。
本来、英語では「予定を確定する」という意味で"schedule"を使うとすると、このような表現が適切です。
- Finalize the schedule (予定を最終決定する)
- Lock in the schedule (予定を固定する)
- Confirm the schedule (予定を確定事項とする)
日本人の間では「Fix」は一般化しているかもしれませんが、英語の場合は気をつけておきたいところです。
そもそも、あえて「Fix」とか言わなくても、日本語には明確な表現がありますけどね。
では「予定をRelease」は?
「予定は解放していただいて結構です。」ということを「予定をRelease(リリース)していただいて結構です。」という意味で使われているのを見聞きします。
これは「仮抑えしておいた、または予定が変更になって、その日程での実施はなくなったので、別件で使える」状態を指しているのですが、これは英語の感覚ではさらに不自然です。
この理解を助ける部分に絞って、Oxford Advanced Learner's Dictionaryに掲載の"release"(動詞)の定義を抜粋しました。
直訳感を残した和訳は筆者によるものです。
release verb
set somebody free 誰かを自由にする
B1 to let somebody come out of a place where they have been kept or stuck and unable to leave or move
誰かが閉じ込められていたり、動けずにそこから離れられない状態に置かれていた場所から出してやること。stop holding something 何かを保持している状態をやめる
B2 to stop holding something or stop it from being held so that it can move, fly, fall, etc. freely
何かをつかんでいるのをやめる、または保持されている状態をやめて、それが自由に動いたり、飛んだり、落ちたりできるようにすること。
- He refused to release her arm.
彼は彼女の腕を放すことを拒んだ。- Intense heat is released in the reaction.
激しい熱がその反応で放出される。- 10000 balloons were released at the ceremony.
式典で1万個の風船が放たれた。- The chemical reaction releases energy in the form of light.
その化学反応は光の形でエネルギーを放出する。- release something into something
the need to limit the amount of greenhouse gases being released into the atmosphere
大気中に放出される温室効果ガスの量を制限する必要性。- The birds were cleaned and fed and released again into the wild.
その鳥たちは洗われ、餌を与えられ、再び野生へ放された。make available 利用可能にする
Oxford Advanced Learner's Dictionary
B2 to make information available to the public
情報を一般に利用できるようにすること。
B2 release something to make a film, recording or other product available to the public
映画、録音物、その他の製品を一般に利用できるようにすること(公開する・発売する)。
このように、"release"の対象が
- 「人」や「生き物」であれば、「囚われている」状態を「解放する」こと
- 「物」であれば、「放つ」「放出する」こと
- 「情報」や「作品」であれば、一般的に「利用可能にする」こと
を指します。
これが「予定」であれば(情報や作品を世に出すという意味の"release"から)
Release the schedule
は
Publish the schedule
つまり、「予定を公開する」という意味になってしまいます。
では、「予定を解放してください」という意味で、正しい英語表現は
- Free up your schedule
- Open up your schedule
- Clear your calendar
になります。
この"calendar"(カレンダー)も、英語らしい表現です。
もう少し文章で表すなら、
- You no longer need to keep that time open.
もう、その時間を開けておく必要はなくなりました。 - You can free up that time.
その時間を自由(縛りをなくすよう)にしてください。 - You can make yourself available for other work.
その他の仕事ができるようにしてください。 - You can take that off your calendar.
カレンダーから削除してください。
が、適切な表現です。
「予定」に関する英語表現
Block
英語交じりの日本語が飛び交う職場では、"block"も見聞きするかもしれません。
これは、英語的には近い表現です。
- block your Friday morning
金曜の朝(の時間帯)を確保してください - block your calendar
日程を確保してください - block off an hour
1時間確保してください - block out time
時間を確保してください
Book
一方、予定に関する英語で重要な"book"はあまり使われません。
「ダブルブッキング」(重複している・重複させてしまった予定)という感じで「ブッキング」は一般的ですが、動詞としての"book"は必ず自然に使いたい重要単語です。
- Book yourself for Friday morning
(あなたの)金曜の朝(の時間帯)を確保してください - Book a meeting room
会議室を確保してください - Book a flight
フライト(航空券)を確保してください - Book a hotel
ホテル(宿泊場所)を確保してください - Book an appointment
面会予約を確保してください
英語交じりの日本語を仕事上でたくさん見聞きする機会がありますが、正しいかどうか判断しない、またはできないまま普段何気なく使っていることが多いのです。
「予定」だけを取り上げてみても、このような結構長文なブログ記事が書けてしまうほどです。
筆者の感覚では、言語に長けている(もちろん、その裏で努力されている)日本人ほど、綺麗な日本語を使いこなし、その他の言語も表現を広げられています。(筆者もそうなれるように、日本語についても日々吸収しています。)
英語ができると、間違いなく世界は広がります。
ただ、英語へのあこがれに偏向してしまうと、日本語の良さが忘れ去られてしまう気がしています。
本当の意味でのバイリンガル、トライリンガル、またはそれ以上(?)、目指す目標に合わせて一緒に頑張っていきましょう!






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