「鉄製の鶏」 - その心は?
中国語では、後の言葉は
一毛不拔
[yī máo bù bá]
と続きます。
直訳は「毛1本すら抜けない(抜かない)」ということなので、生きている鶏にはないことです。
でも、「その心」が何であるかは、日本人にとって分かりづらいところですね。
この"一毛不拔"という言葉は、「成語(せいご)」(中国語で"成语" [chéng yǔ])という故事に由来する言葉です。
中国戦国時代の儒学者・思想家である「孟子(もうし)」(中国語の発音は[mèng zǐ])が出典です。
杨子取为我,拔一毛而利天下,不为也。
【意訳】杨子は自身のためなら何でもするが、たとえ1本の毛を抜くことが天下のためになろうとも、それすらしようとしない。
《孟子·尽心上》
このように、元々は楊子という人物の極端な利己主義を指していましたが、
すごいケチ
に意味が転じました。
全体では
铁打的公鸡,一毛不拔
となり
「鉄製の鶏」といえば…
すごいケチな人
それが、その心です。
前だけだと、鶏と言えども強そうな感じもしますが、成語も関係してきて、歇後語らしい落ちのある湾曲表現でした。
今回もお読みくださり、ありがとうございました。
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