「鶏の頭上の肉」「雄鶏に火が付く」 - その心は?
はじめに「鶏の頭上の肉」からです。
中国語では、後の言葉は
大小是个官
[dà xiǎo shì gè guān]
と続いて、全体では
鸡公头上的肉,大小是个官
となります。
後の言葉には"官"という漢字が使われていますが、これは"冠"と同じ発音です。
また、鶏の「とさか」には、食べられる肉はほとんどないといっていいくらいです。
つまり、
大きさは役人程度だ
それが、その心です。
誤解のないように付け加えますが、決して「役人がすべてこんなふう」というわけではなく、特に中国では政府への批判的な発言は慎まなければならない風潮があります。それでも、むしろ それだからこそ、このような湾曲表現も生まれるのではないかと思います。
次に「雄鶏に火が付く」です。
中国語では、後の言葉は
官僚
[guān liáo]
と続いて、全体では
老公鸡着火,官僚
となります。
この場合も"官"については同じで、日本語でも「官僚(かんりょう)」という言葉がありますね。
官僚
ウィキペディア
官僚とは、国家の政策決定に大きな影響力を持つ国家公務員。「官僚」の語は、語義的には「役人」と同義語であるが、一定以上の高位の者ないしは高位になり得る者に限定して用いられることが多い。
中国語も"官僚"[guān liáo]と、日本語にも近い発音ですが、ここでは鶏と絡めて"冠燎"が同じ発音としてあてられて、暗喩としています。
この火偏の"燎"は「野焼き」 つまり草などを燃やすことを意味します。
この字は、"多音字" [duō yīn zì]で、名詞としては[liáo]という発音で、動詞としては[liǎo]の発音になります。
その心は、使う状況によって結構過激にもなり得ますが、なんとも皮肉たっぷりな表現ですね。
今回もお読みくださり、ありがとうございました。
役に立った・気に入ったらツイートや共有していただけると嬉しいです!