逆から読んでも同じ文 - 中国語の回文
日本語にも「上から読んでも下から読んでも同じ文」という「回文」がありますが、中国語にも英語にもあります。もっとも中国語や英語は横書きなので「左から読んでも右から読んでも…」になりますが。
中国語で「回文」のことを
回文句 [huí wén jù]
といいます。
中国語は漢字だけなので、回文も漢字の文でどちらから読んでも同じ文、ということになります。
簡単な回文から驚くような長文まで、厳選してご紹介します。
回文の性質上、日本語訳は参考程度とお考えください。
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中国語の一般的な回文
まずは一般的な回文から。
蜜蜂酿蜂蜜
[mì fēng niàng fēng mì]
ミツバチが蜂蜜を作る
风扇能扇风
[fēng shàn néng shàn fēng]
扇風機は風をあおることができる
奶牛产牛奶
[nǎi niú chǎn niú nǎi]
乳牛が牛乳を作る
清水池里池水清
[qīng shuǐ chí lǐ chí shuǐ qīng]
清水の池は水が澄んでいる
静泉山上山泉静
[jìng quán shān shàng shān quán jìng]
静泉山上の山泉は静かである
上海自来水来自海上
[shàng hǎi zì lái shuǐ lái zì hǎi shàng]
上海の水道水は海上から来ている
雾锁山头山锁雾
[wù suǒ shān tóu shān suǒ wù]
霧が山を閉ざし、山が霧を閉ざす
天连水尾水连天
[tiān lián shuǐ wěi shuǐ lián tiān]
空は水につながり、水は空につながる
院满春光春满院
[yuàn mǎn chūn guāng chūn mǎn yuàn]
中庭は春でいっぱい
门盈喜气喜盈门
[mén yíng xǐ qì xǐ yíng mén]
門は喜びに満ちている
中国語の回文の対句
回文の対句です。
それぞれが回文で、上の句に対して下の句が応えています。
上联:客上天然居,居然天上客;(乾隆出句)
[shàng lián]: [kè shàng tiān rán jū][jū rán tiān shàng kè] ([qián lóng chū jù])
下联:人过大佛寺,寺佛大过人。(纪昀对句)
[xià lián]: [rén guò dà fó sì][sì fó dà guò rén] ([jì yún duì jù])
客の上には天に住みかがあり、意外にも天の上に客がいる。(乾隆の句)
人は大仏寺を渡り、寺仏は人を超える。(紀昀対句)
中国語の長文の回文
最後に紹介する長文の回文は、7文字の短文が16個組み合わさって、なんと112文字!
唐の時代に《经典咏流传》で読まれた《题金山寺》という回文詩です。
潮随暗浪雪山倾,远浦渔舟钓月明。
桥对寺门松径小,槛当泉眼石波清。
迢迢绿树江天晓,霭霭红霞海日睛。
遥望四边云接水,碧峰千点数鸿轻。
轻鸿数点千峰碧,水接云边四望遥。
晴日海霞红霭霭,晓天江树绿迢迢。
清波石眼泉当槛,小径松门寺对桥。
明月钓舟渔浦远,倾山雪浪暗随潮。
[cháo suí àn làng xuě shān qīng][yuǎn pǔ yú zhōu diào yuè míng]
[qiáo duì sì mén sōng jìng xiǎo][jiàn dāng quán yǎn shí bō qīng]
[tiáo tiáo lǜ shù jiāng tiān xiǎo][ǎi ǎi hóng xiá hǎi rì jīng]
[yáo wàng sì biān yún jiē shuǐ][bì fēng qiān diǎn shǔ hóng qīng]
[qīng hóng shǔ diǎn qiān fēng bì][shuǐ jiē yún biān sì wàng yáo]
[qíng rì hǎi xiá hóng ǎi ǎi][xiǎo tiān jiāng shù lǜ tiáo tiáo]
[qīng bō shí yǎn quán dāng jiàn][xiǎo jìng sōng mén sì duì qiáo]
[míng yuè diào zhōu yú pǔ yuǎn][qīng shān xuě làng àn suí cháo]
潮は暗い波と共に雪山に傾き、遠くの浦では漁舟が明るい月を釣り上げる。
橋は寺門に向かい、松の小道が小さく延びている。泉の目の前には石の波が清らかに流れている。
緑の木々が並ぶ江辺は夜明けの空に映え、紅霞が晴れた日の海に広がる。
四方を見渡すと、雲が水面に接し、碧峰には数多くの鴻が軽やかに飛んでいる。
軽やかに飛ぶ鴻は数点、千の峰が碧く連なる。水は雲の端まで接し、四方を望むと遥かに広がる。
晴れた日には海霞が赤く靄がかかり、夜明けの空には緑の木々が延々と続く。
清波石眼泉は敷居となり、小径の松門寺は橋に面している。
明るい月の下、漁舟は遠くの浦で釣り上げ、山は雪の波に傾き、潮は暗く流れる。
日本語でも回文づくりは楽しいですが、対句や長文までに及ぶと驚きです!
今回もお読みくださり、ありがとうございました。
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