熟語になると意外な意味!? 中国語初級者向けクイズ
漢字にはそれぞれに意味があって、漢字を組み合わせた熟語にはそれぞれのつながりから意味が分かるものも多いです。
でも、中にはよくよく考えたら分かるものや、まったく意味不明と思えるものも存在します。
普段何気なく使っている日本語の例では…
電 + 話 = 電話
電気で話を伝える仕組み ということから「電話」ですね。
西 + 瓜 = 西瓜(スイカ)
西方より日本に入ってきた瓜ということから「西瓜」ですね。
実際は、日本に伝わってきた経緯には諸説あって不明点が多いようです。
原産地は南アフリカで、平安時代に中国から渡った、16世紀ごろにポルトガルから渡った、などの説がありますが、いずれにしても西方に違いはないですね。
眼 + 鏡 = 眼鏡
なぜ「鏡」なの?という疑問はあります。これも諸説あって難しいのですが、「鏡」という漢字には「明察」(はっきりと真相や事態を見抜くこと)という意味もあることから、「レンズ」にも「鏡」という漢字が当てられたという説があります。
いろいろな単語が、中国から日本に、または日本から中国に伝わっています。
これらの熟語も、中国語と日本語は共通です。
- 电话 [diàn huà]
- 西瓜 [xī guā]
- 眼镜 [yǎn jìng]
今回は日常的に使う初級者向けの中国語で、漢字だけ見ると???となってしまいそうな言葉を、クイズ形式でご紹介します。
単語は初級者向けですが、中級者にも楽しんでいただけるように解説をつけています。
中国語初級者向けクイズ (1)
1. 熊 + 猫 = 熊猫 [xióng māo]
正解は「パンダ」で、ご存じの方も多いことでしょう。
ではなぜ、"猫熊"ではなく"熊猫"なのでしょうか?
どう見ても近いのは「熊」の方で、「猫」ではありません。
最初の記述では右から左に書かれて"猫熊"だったものが、左から右に"熊猫"と誤って読まれてしまったまま広まった、というのが有力な説なようです。
台湾の中国語(台湾華語)では"猫熊"と呼ばれる場合もあり、台北動物園では"貓熊"という表記が見られます。
いずれにしてもパンダはパンダ、可愛いですね!
2. 东 + 西 = 东西 [dōng xī]
正解は「物」で、比較的初めの方に習う単語です。
では、なぜ「東」と「西」で「物」になるのでしょうか?
有力な説では、前漢時代の交易が起源とされています。
当時の首都 長安には東市と西市があり、人々はこの2つの市場で物品を購入していました。
ここから"买东买西" [mǎi dōng mǎi xī](東で買い、西で買う)といわれていたのが"买东西"という「買い物」を意味する言葉となり、"东西"が「物」の代名詞となった、というものです。
3. 手 + 机 = 手机 [shǒu jī]
正解は「携帯電話(スマートフォン)」です。
"机"という漢字は、日本の漢字では「機」で、中国語で「装置」を意味します。
「手の中に納まる装置」というつながりですね。
4. 剪 + 刀 = 剪刀 [jiǎn dāo]
正解は「はさみ」です。
"剪"は「はさみで切る」という意味を持っていて、中国語では"切" [qiē]とははっきりと区別されています。
日本語にも「剪定(せんてい)」という言葉がありますが、木の葉や枝を切り取ることで樹木などの形を整えることを指します。特に仕上げの時、はさみを使用することが一般的です。
"刀"には「刀」以外にも「包丁」や「ナイフ」といった意味があり、これらの漢字を組み合わせた"剪刀"は、道具としての「はさみ」を指しています。
日本語で「はさみ」を漢字で書く場合は「鋏」の字を使いますが、中国語では「剣」の意味を持っています。(中国語でも"剑" [jiàn]という漢字が一般的です。)
5. 打 + 针 = 打针 [dǎ zhēn]
正解は「注射」です。
"打"という動詞と"针"の組み合わせは、直訳だと「針を打つ」という意味ですが、「注射」だったのは意外かもしれません。
中医学には「鍼灸(しんきゅう)」があって、この「鍼(はり)」も有名です。
「鍼を打つ」の場合、中国語では"扎针" [zhā zhēn]で、"扎"は「刺す」などの意味を持つ動詞です。
6. 火 + 锅 = 火锅 [huǒ guō]
正解は「火鍋(ひなべ)料理」です。
日本でも知られてきた料理なので、ご存じの方も多いでしょう。
初めて聞いた方にとっては、"火"と"锅"の組み合わせは料理ではなく、土鍋のような料理器具と思っても不思議ではありません。
中国 四川伝統の料理「火鍋(ひなべ)」は、特に人気があります。
7. 饼 + 干 = 饼干 [bǐng gān]
正解は「ビスケット」または「クッキー」です。
"饼干"の漢字の組み合わせは、「乾いた餅」にも捉えられそうですが、よく考えると順番が違います。
「乾いた餅」であれば"干饼"になるはずですが、基になる英語の"biscuit"の音が影響しています。
8. 土 + 豆 = 土豆 [tǔ dòu]
正解は「ジャガイモ」です。
「ジャガイモ」は地下茎(ちかけい)なので豆ではありませんが、「土の中にできる大きな豆」という印象からは遠くない(?)かもしれません。
9. 番 + 茄 = 番茄 [fān qié]
正解は「トマト」です。
"西红柿" [xī hóng shì]という呼び名も一般的です。
"番"には「外国の」といった意味があります。"茄"という漢字は日本でも「茄子(ナス)」と表記されるとおりです。
一見、トマトとナスはまったく別物のように見えますが、実はトマトは南アメリカ原産のナス科ナス属の植物なのです。
10. 马 + 虎 = 马虎 [mǎ hǔ]
正解は「浅はか」や「適当に」といった意味です。
馬も虎も力強い印象ですが、なぜこのようになったかは以下の記事で詳しくご紹介しています。
それぞれが意味を持つ漢字ですが、組み合わせによっては想像からかけ離れたように感じることがあり、そこがまた面白いものです。
第2弾もご期待ください!






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